会社の同期がネットワークビジネスにはまった話
第一部が割と好評でしたので、引き続きネットワークビジネスにはまった友人の話をします。今回は第二部です。
第一部では、ネットワークビジネスの仕組みの説明と、友人のA君が胡散臭い勧誘活動を始めた所までを話しました。おさらいは下記リンクからどうぞ。
登場人物のおさらい
この物語の登場人物は主に下記の3人です。
- A君:ネットワークビジネスにはまり、暴走をはじめる
- B君:A君から執拗な勧誘を受け、会社を休みがちになる
- 私:勧誘回避するも、B君からの悩み相談で恐ろしさを体験する
それでは第二部をどうぞ。
第ニ部:A君よ目を覚ませ
アムウェイに嵌ってからというもの、A君は自分の子会員を増やすことに必死でした。子会員を作らなければ自分の儲けは発生しないからです。誰彼かまわず勧誘し、会社の同期には殆ど声をかけていたようです。その努力と情熱は大したものかもしれませんが、どんどん周囲から孤立していきます。
皆さんは、自分が勧誘されたらどう思いますか?
いい気分がする人は少ないと思います。
距離を置く人もいます。
人によっては激怒します。
だって「俺の養分になってくれ」と頼んでいるのと一緒だから。
それ故、ネットワークビジネスは「人間関係を金に変える」という悪評があったりもします。
勧誘の代償
A君が勧誘活動を始めてからしばらくが経ちました。気がつけば「あいつはねずみ講だ。近づかない方がいい。」と多くの友人たちが言うようになっていました。
私はA君と仲がよかったため、彼の評判がどんどん悪くなっている事を悲しく感じました。
しかし、私自身も、一度勧誘を受けてからというもの、A君を今までとは違う目で見るようになっていたのです。
とは言っても、今まで仲良くやってきた大事な友人です。なんとか彼を元の世界に連れ戻したいと考え、何人かの友人と共に説得を試みることにしたのです。さっそく、私達はA君の部屋に遊びに行きました。
しかし、そこで見てはならないものを見てしまったのです。
見てはいけないもの
A君の部屋の中に入ると、そこには壁一面に並べられたダンボールの山がありました。ダンボールには、全部、例の会社の名前が書いてあります。
聞かなくてもすぐにわかりました。このダンボールはA君が自分で購入したアムウェイ商品だったのです。
いくら分の商品かは分かりません。でも、壁を覆いつくすレベルの量です。きっと、かなりの額になっていたのではないでしょうか。
驚きを隠せない私達を尻目に、A君は飲み物を用意してくれました。なにやら浄水器のようなものから水を注いでいます。
はい。ミネラルウォーター。これ、凄く体にいいんだよ。飲んでみて!!
ゴクリ。ありがとう。美味しい水だね。その浄水器はどうしたの?
最近アムウェイで買ったんだ!やっぱり健康第一だし、長生きしたいからね。
(やっぱりか)いくらしたの?
15万くらいかな。おばあちゃんと両親にも送ろうと思って、あと2台買ったんだ。
なんということでしょう。
既に高額の商品を買わされていたとは…。しかも全部で3台も!(笑)
早く目を覚まさせないと…
でも、これは至難の業でした。結論から言うと、私達はA君の説得を断念しました。
A君は素直でいい奴なんです。でも、今回はこの素直な性格が完全に裏目に出ている。長生きしたいとか、親にも使ってもらいたいとか、まったく否定できません(笑)
A君は心から商品をいいと思っていて、お金を払ってもいいと思っている。そして、周りの人たちにも商品の良さ知ってもらって、使ってもらいたい。そして、自分はいい商品を紹介した分の報酬をもらう権利があると考えている。確かに、この論理自体はおかしくはないのです。世の中の広告の仕組みだってほとんど一緒です。
ネットワークビジネスで問題なのは、強引な勧誘をして人間関係を壊してしまう点です。ある友人は、ファミレスで会員に囲まれて説得され、加入するまで帰れない雰囲気で拘束されたそうです。最終的に逃げれたとしても、最悪な拘束時間ですよね。
他にも問題なのは、報酬額がアップする会員ランクに到達するために、自腹で商品を買い続ける人もいるらしいです。もしかしたら、A君の部屋の大量のダンボールもこれが原因だったのかもしれません。大損していないことを祈るばかりです。
説得を断念した私たちは、勧誘で嫌な思いをしたことと、今後も商品を買ったり会員になったりする気はないことを伝え帰宅しました。
これをきっかけに、私たち友人グループはA君と距離ができ始め、疎遠になってしまいます。
しかし、この話はまだ終わりではありません。
そういえば、最近B君を会社で見かけないな…と、気づいたのはその数か月後のことでした。
まとめ
今日は、ネットワークビジネスに嵌った友人A君が高額商品を買っていたお話をしました。今回でネットワークビジネスの話も第二部となりました。
次回は完結編の第三部です。姿をくらましていたB君がいよいよ登場します。お楽しみに!
それではまた!