投資の原点:証券会社という名の勧誘
私が投資という得体の知れない世界に興味を抱いたのは、かれこれ数年前のことだ。きっかけは、職場に現れた証券会社の営業担当者だった。彼女が何を語っていたのか、今となっては記憶の彼方だが、要約すれば「投資信託は儲かるから我が社で取引を」という、使い古されたセールストークだったはずだ。
当時はまだネット証券が今ほど浸透していなかった。投資そのものには惹かれたが、対面型の証券会社には強い抵抗を感じたものだ。仕事中に「おすすめの商品があります」などと執拗な電話攻撃を受けるのは、合理的ではないし、何より不快極まりない。結局、私は実店舗へ足を運ぶことを拒否し、当時まだマイナーだったネット証券に口座を開設した。
成功と挫折:日本株への投機とリーマンの洗礼
口座を開設しただけで満足していた時期を経て、数年後に日本株への初投資を行った。結果は小銭を稼ぐ程度の、他愛もない成功だった。そこから、小手先の売買を繰り返す日々が始まった。
だが、リーマンショックという名の巨大な暴力が、私の甘い考えを打ち砕いた。市場の狂気に対し、毎日仕事の合間を縫ってチャートと睨み合う日々。そんな消耗戦に、私は心底疲れ果ててしまった。自分の労働時間を削ってまで、不確実な数字の変動に一喜一憂することの無意味さを、身をもって痛感したのだ。
投資のパラダイムシフト:インデックス投資との邂逅
もっと放置できる投資手法はないものか。そう探し求めていた私が出会ったのが、インデックス投資という概念だった。
「これほどまでに放置して良いのか?」
最初は疑念を抱いたが、調べれば調べるほど、個別株という博打に近い手法よりも、市場全体に賭けるインデックス投資の方が遥かに理に適っていることが理解できた。この出会いは、私にとって正に衝撃的だったと言える。
決断:個別株との決別
衝撃を受けた私は、迷わず行動に移した。保有していた日本個別株をすべて叩き売り、ちょうど一年前、資産のすべてをインデックス投資へとシフトした。かつての執着を捨て、市場の平均に身を委ねる決断をしたわけだ。
米国ETFという、さらなる合理的な選択肢については、また別の機会に語ることにしよう。