聖域の再編:0.1095%という名の美貌
迷いはあった。だが、私はつみたてNISAの主力銘柄を急遽変更するという暴挙に出た。これまでの楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)に三行半を突きつけ、eMAXIS Slim 先進国株式インデックスへと亡命したのだ。金額というリソースの投下量は変えず、ただその器を交換したに過ぎない。
なぜか。理由は単純かつ残酷だ。信託報酬という名の維持費が、私の忍耐の限界を超えて引き下げられたからだ。2018年1月30日、eMAXIS Slim 先進国株式インデックスは、自らの信託報酬を0.1095%という、もはや正気を疑うレベルまで削ぎ落としてきた。この数字を前にして現状維持を選択するのは、投資家としての不作為、あるいは単なる怠慢だ。
コストという名のシロアリ:愛着を排した駆除作業
投資において、市場の騰落はコントロール不能な神の領域だが、支払うコストだけは唯一、自らの意思で制御できる変数だ。わずか数ベーシスポイントの差と笑う者もいるだろう。だが、数十年という複利の魔法の中では、その僅かな差が私の資産を蝕む凶悪なシロアリとなる。私はそのシロアリを、一刻も早く、一匹残らず駆除したかったのだ。
正直、楽天VTIというブランドには一種の愛着のようなものを感じていた。しかし、投資に感情を持ち込むのは無駄なコストでしかない。より安く、より効率的に、世界経済の成長という果実を掠め取る。そのためには、昨日までの最適解を今日、ゴミ箱に放り込む冷酷さが必要だ。0.1095%という数字は、私にとってそれほどまでに重く、そしてエロティックですらある。