期待値で鯨になる

米国株・ETF・投資信託で資産を育てる合理主義投資ブログ。低コストという名の餌で巨大な鯨へ育てる観測日記。

世界のベスト投資信託の現実|高コスト1.903%を考察

 

「世界のベスト」という、あまりに眩しすぎる名前に目がくらみそうになった。世界中のエリート企業の成長をプロが厳選して届けてくれるという。ああ、なんていい響きだ。私の薄暗い生活……ではなく、冴えない資産状況にも、そのくらいの輝きをお裾分けしてもらいたいものである。

だが、目論見書を見た瞬間、私のゴーストが「目を覚ませ」とささやいた気がした。そこに刻まれていたのは、年率1.903%という、もはや芸術の域に達したコスト設定だ。

芸術的コスト設定:年率1.903%の世界のベスト投資信託

1.903%。この0.003%という端数に、運用会社の1円たりとも、1銭たりとも逃さないという鋼の意志を感じて、私は思わず震えた。インデックス投資家たちが「0.01%のコスト差が将来の命取りだ」と血眼で戦っている横で、悠々と2%近い上納金を要求するこの強気。これはもはや運用というより、運用会社という名の高貴な一族を支えるための、我々下々による奉納に近いのではないか。

毎月決算型の罠:セルフお年玉のシュールな現実

特に、3兆円もの資金が流れ込んでいる毎月決算型の破壊力がすごい。毎月、通帳に小銭がチャリンと振り込まれるたびに不労所得だ!と万歳三唱できるほど、私はまだ純粋な大人になれなかったようだ。

冷静に考えれば、自分の財布から出した1万円をプロに預け、高い管理費を引かれた後に、数ヶ月後「はい、お小遣いだよ」と8,000円返してもらっているだけなのだ。トカゲが自分の尻尾をちぎって食べ、さらにその調理代を他人に払っているような、究極の自給自足。この壮大なセルフお年玉コントに、一瞬でも心が揺れた自分が恐ろしくてならない。

プロの投資家を世界に飛ばす費用とは?

プロが世界中を駆け巡り、個人には見つけられないお宝銘柄を探してくるんです。という物語も、聞いている分にはワクワクする。だが、そのプロをファーストクラスで飛ばす旅費や、現地の豪華なオフィス代を、私のなけなしの資産から捻出していると思うと、急に目頭が熱くなる。私は世界の成長を応援したいのであって、他人の華麗なる出張旅行をプロデュースしたいわけではないのだ。

S&P500との比較:怠惰な巨人の強さ

ふと、横で寝っ転がっているだけのS&P500という名の無機質な巨人に目をやる。彼は何も考えず、ただ時価総額が大きい順に企業を並べてケツを掻いているだけ。手数料も、タダみたいなものだ。必死に世界を飛び回るエリートたちが、家から一歩も出ないこの「怠惰な巨人」にパフォーマンスで負けてしまうことがある……。この切ない現実を「努力賞」として1.9%払い続けるほど、私はお人好しにはなれなかった。

名前だけで3兆円集める投資信託の威力

結局、「世界のベスト」という名前をつけた瞬間に、この勝負は運用会社の勝ちだったのだろう。もしこれが正直に「世界の手数料ワースト」なんて名前だったら、誰も近寄らなかったはずだ。名前の響きだけで3兆円もの資金が集まるのなら、私も自分の通帳に「世界のベスト(予定)」と名前をつけて、明日から胸を張って生きていこうか。

 

(※なお、この記事を読んでも私の資産は1円も増えないし、運用会社も1円も損をしない。世界は今日も、実に平和である)