期待値で鯨になる

米国株・ETF・投資信託で資産を育てる合理主義投資ブログ。低コストという名の餌で巨大な鯨へ育てる観測日記。

2026年衆院選:高市自民の歴史的大勝と、溶けゆく野党、さらに狂乱の56,000円

衆議院選挙の開票センターで、当選者の名前の上に赤いバラを付け、笑顔を見せる高市早苗首相と、背景のボードには自民党の獲得議席が並んでいる水彩画風のイラスト

衆院選で316議席を確保し、満面の笑みを浮かべる高市首相のイラスト。この笑顔の裏で、私の財布のライフは削られ続けている


2026年2月9日、週明けの東京株式市場。画面を埋め尽くす真っ赤な数字を眺めながら、私は自分の乏しい語彙力を呪っている。これだけの数字を叩き出されると、もはや景気がいいなんて言葉は、100円ショップの安物のようで使い物にならない。

歴史的大勝利なんて言葉は、教科書の中か、あるいは場末の居酒屋で酔客が語る夢物語だと思っていた。だが、現実は小説よりも奇なり、さらに何より強欲だったらしい。

高市早苗首相率いる自民党が、衆院選で316議席というスーパーマジョリティをかっさらった。これ、もはや圧勝なんて可愛い表現じゃ足りない。野党の議席が溶けていく様は、まるで真夏のバニラアイスのようだった。甘い理想を語っている間に、地熱という名の現実に負けてドロドロの液体になってしまったわけだ。

というわけで、この狂乱の高市トレードについて、振り返るとしよう。

 


1. 短期決戦という名の、あまりに鮮やかな詰み

就任からわずか110日。戦後最短の16日間という選挙戦は、高市首相による思考停止する暇も与えないという合理的かつ残酷な戦略だった。有権者が「え、誰に投票するんだっけ?」と首を傾げている間に、ゴールテープを切り捨てたようなものだ。

  • 争点: 経済再生、少子化対策、防衛力強化、さらに日本再生プラン。どれも強そうな漢字が並んでいる。
  • 高市首相の悲願: 2年限定の食料品消費税ゼロ。
  • 野党の現状: 中道改革連合とかいう、名前だけは一丁前の集団が、候補者調整という名の内輪揉めに終執している間に、自民党は着々と地盤を固めていた。もはや戦いではなく、大掃除に近い。

結果、自民党は単独で316議席を確保。公示前の198議席から驚異のジャンプアップだ。私の体重がこれくらい劇的に、しかも健康的な方向に変化してくれれば、高いサプリを買う必要もないのだが。

ここで少し解説を挟んでおこう。今回獲得した316議席は、単なる過半数(シンプル・マジョリティ)ではない。政治・議会用語でスーパーマジョリティと呼ばれる、法的無敵モードの多数派だ。日本の衆議院では、3分の2以上である310議席以上を指す。これは参議院でNOと言われても衆議院で押し通せるし、憲法改正の提案も単独でできるという、まさに全能の神のような立ち位置だ。野党の仕事は、いまや議事堂の隅で「遺憾である」と呟くことだけになってしまった。

2. 56,000円の向こう側:市場はなぜ絶頂に達したか

選挙翌日の今日、日経平均株価は一時57,000円をも突破した。かつて3万円で大騒ぎしていた頃が、今では江戸時代の牧歌的な風景にすら思える。

指標 選挙前(2/6) 選挙後(2/9) 上昇の背景(言い訳)
日経平均株価 約54,253円 56,083.14円 積極財政・減税への期待という名のドーピング
TOPIX 約3,699pt 3,792.05pt 政権の長期安定によるプレミアム
ドル円 150円台半ば 150円台後半 円安進行。海外旅行はさらに夢のまた夢に

市場がこれほどまでに熱狂している理由はシンプルだ。要するに、お金を刷って配る、ついでに減税もするという、みんなが大好きな魔法への期待値だ。

これを市場ではTakaichi Trade(高市トレード)と呼んでいる。積極的な財政刺激、大胆なインフラ投資、さらに何よりスーパーマジョリティによる政治的安定。投資家たちは、この国が強い国になろうとする姿勢に、全財産を賭けてチップを積み上げている。ブレーキが壊れていないことを祈るばかりだ。

3. Takaichi Tradeの光と影:主婦の財布は笑えるか

高市トレードは、今のところ投資家にとっての聖杯のように扱われている。だが、世の中にタダ飯など存在しないことは、我々もよく知っているはずだ。夕食の献立でさえ、肉を増やせば野菜を減らさざるを得ないのが現実なのだから。

積極財政による債務の膨張、輸入物価の上昇、さらにいつか訪れる金利上昇という名の、死神のようなお迎え。円安が進めば日経平均は華々しく上がるが、その裏で私がスーパーで手にする輸入牛肉やパスタの値段は、容赦なく高市プレミアム分だけ上乗せされる。2年限定の食料品消費税ゼロという飴玉で、どれだけのインフレの痛みが紛れるのか。今の熱狂は、将来の世代からの前借りで成り立っているという自虐的な視点を持つくらいが、精神衛生上ちょうどいいのかもしれない。

主婦の財布と、この国の行方

さて、この法的無敵モードに入った政権が、実際にどんな法案を通していくのか。憲法改正が進むのか、防衛費がさらに膨らむのか、それとも本当に日本再生の奇跡が起きるのか。野党が49議席まで激減し、再編の波に飲まれて消えていくなかで、もはや異論を唱える声は議事堂に響かない。静かなものである。

高騰した防衛関連株を指をくわえて眺めつつ、私はいつも通り特売の麦茶をケースで買い込むことにする。 スーパーマジョリティという全能の力があるのなら、この国を再生させるという壮大な計画のついでに、私のささやかな生活防衛費を削り取る諸々の税金についても、ぜひ超法規的な解決をお願いしたいものだ。

 


 

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