2026年2月9日、運命の幕が上がった。処刑台(寄り付き)に立たされた私の目に飛び込んできたのは、予想された阿鼻叫喚……ではなく、意外にも冷静な、あるいは不気味なほど無風に近い市場の体温だった。
今日は、KDDIの粉飾疑惑による株価影響、営業利益との比較、特別注意銘柄指定リスクについて整理する。

| 項目 | 内容(2026年2月9日時点) |
|---|---|
| 取得単価 | 2,352円 |
| 2/9 終値 | 2,541円 |
| 2/9 PTS | 2,553円(+12円) |
| 保有数 | 200株 |
1. 取得単価2352円の生存報告:KDDI株価と含み益の現状
結論から言おう。私の200株は、まだ含み益という細い糸一本で繋がっている。2/6夜間のPTSで一時 2,463円(-12%)まで垂直落下したときは、含み益全焼による解脱を覚悟したが、蓋を開けてみれば下落率は9%前後で踏みとどまった。取得単価2,352円に対して、まだ1株あたり約200円のリードを保っている状況だ。
この中途半端な生存が、最も判断を鈍らせる。全損なら諦めもつくが、利益が残っていると、まだ舞えるという甘い囁きが脳内を支配する。合理性を標榜する私の回路が、今Pontaポイント3,000円分という現世の利益にバグを起こされている。PTSの僅かな反発を底打ち感と見誤り、安堵している自分こそが、バグの正体だ。
2. KDDIはなぜストップ安にならなかったのか|粉飾規模と営業利益の比較
なぜ売上過大2,460億円、外部流出330億円という粉飾規模で、ストップ安にならなかったのか。今日、私は自分の無知を呪った。KDDI本体が、私の想像を絶するほど分厚いのだ。
利益という名の暴力
330億円の流出は痛恨だが、年間営業利益が数千億円規模のKDDIにとっては、我々が道端で100円玉を落とす程度の痛痒に過ぎない。倒産級だったカネボウや、組織的だった東芝ほどの絶望感はないのだ。
本業の堅牢さと「養分」の自覚
不祥事が起きようが、日本中のauユーザーは今日も粛々と通信料を献上し続けている。ARPU(顧客平均単価)の上昇という参考値が、客船のエンジンが健在であることを証明している。今回の不正は、巨大客船の厨房でボヤが起きたようなものだ。客船は平然と航海を続け、私はその船底で、ポイントがもらえるなら火災も演出のうち、と自分を納得させている。
3. 3月末の特別調査委員会報告書と特別注意銘柄リスク
しかし、今の株価はあくまで泥棒が「これくらいしか盗んでません」と自己申告した状態での暫定評価だ。本当の恐怖は、3月末に公開される特別調査委員会の報告書にある。
- 粉飾の伝統芸: 子会社の広告代理不正に留まらず、他の子会社でもクリエイティブな循環取引が披露されていれば、影響額は上方修正される。
- 特注銘柄(特別注意銘柄)の烙印: 東証から特注銘柄に指定されれば、機関投資家はガバナンス欠如を理由に機械的にこの株を放り出す。そうなれば、今日のような買い支えは消失する。
- 優待自爆のリスク: 2025年の分割を経て200株保持を条件とした手前、不祥事のケジメとして優待廃止や改悪が重なれば、今度こそPontaポイントは私のポートフォリオと共に爆発する。
結局のところ、私は処刑場へ進む
私は今日、売れなかった。明日も売らないだろう。合理的なリスク管理という高尚な言葉を、使い道すら決まっていないポイントへの執着に書き換え、私は3月末の処刑場へと続く花道を進むことにした。含み益という頼りない防弾チョッキが、3月末の爆風で跡形もなく吹き飛ぶ様が今から目に浮かぶようだ。
3月末に報告書が出るその日まで、私は自分のポートフォリオから目を逸らし、使う予定のないポイントの計算をして現実逃避を続けるだろう。