2026年2月12日、いや、正確には日付が変わって13日の深夜だ。
金曜日の夜、世間では「花金」などという死語が微かに漂っているが、市場は表向きの平穏を取り戻したかのように見える。だが、私の視界はそれほど晴れやかではない。KDDI(9433)という巨大な使徒が落とした影は、私のポートフォリオをじわじわと侵食し続けている。
上空から降ってくる不祥事を、個人投資家は生身の腕で受け止めなければならない。この理不尽な恐怖の中、私は投資という名の、出口の見えない戦闘に身を置いているのだ。
現在の保有状況(2026年2月12日時点)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 取得単価 | 2,352円 |
| 終値 | 2,661.5円(PTS:2,659円) |
| 保有数 | 200株(株主優待という名の呪縛) |
1. 狂気(とちくるい)のシンクロ率:不祥事を飲み込む市場の胃袋
2月6日の阿鼻叫喚を経て、今日までの株価推移はもはや私の理解の範疇を超えている。
2,460億円の架空売上。これほど特大の不祥事を突きつけられながら、市場は「本業の利益で相殺可能」と冷徹に判断し、まるで何もなかったかのように振る舞おうとしている。この厚顔無恥な回復力には、皮肉を通り越して感心すら覚える。
含み損が100万円あれば、私も潔く「逃げちゃダメだ」と叫びながら損切りボタンを連打できただろう。しかし、中途半端に残された含み益がタチを悪くする。「まだ戦える」という根拠のない希望を抱かせ、私の判断力をじわじわと削り取っていくのだ。
2. 落ちてくる不信とATフィールド:含み益とPontaポイントの防衛戦

新世紀エヴァンゲリオンの第12話では、落下する使徒を3体のエヴァが全力で受け止めた。今の私も、KDDI、ビッグローブ、およびPontaポイントという名の3つのエントリープラグに魂を預けている状態だ。
- KDDI(初号機): 本体は堅牢な通信インフラだが、内部ガバナンスという名の拘束具が外れかけている。暴走の予感しかしない。
- ビッグローブ(零号機): 9年間にわたる架空売上計上という大連載を成し遂げた、自爆寸前のプロトタイプだ。
- Pontaポイント(2号機): 200株を維持する唯一の動機。だが、このポイントこそが私の冷静な判断を鈍らせる、使徒による精神攻撃そのものだと言える。
330億円という資金流出は、KDDIの巨大な利益規模からすれば確かにかすり傷かもしれない。しかし、会計への信頼というATフィールドが一度中和された以上、3月末の報告書が出るまで、私は常に「さらなる粉飾」という名の追撃に怯え続けなければならないのだ。
3. 奇跡の価値は?:サードインパクト前夜の投資観察
合理性を重んじるはずの私が、なぜここまでこの銘柄に執着するのか。その答えは、わずか3,000円相当のPontaポイントにある。
客観的に分析すれば、数十万円のリスクを背負って数千円のポイントを拾いに行くなど、非合理の極みだ。もし投資の教科書が存在するなら、私の行動の横には真っ先に赤ペンで「バカ」と殴り書きされるだろう。
だが、私は今日、一つの真理に到達した。私は投資をしているのではない。KDDIという名の壮大な悲喜劇の観客席に座るため、血肉(資産)をチケット代として差し出しているのだ。
3月末の報告書という名のサードインパクトが起きた時、私の200株は、積み上げたPontaポイント諸共、宇宙の塵となるのかもしれない。それでも、私はまだ脱出レバーに手をかけることができないでいる。
処刑台のステップ:200株という最小単位のプライド
私は今日も、処刑台の上で軽やかにステップを踏んでいる。「笑えばいいと思うよ」という名台詞が、自虐ではなく、もはや狂気混じりの本音として口を突いて出そうだ。
200株という最小単位のプライドを守るために、私は3月末という名の審判を正面から迎え撃つことに決めた。
もし3月末、私のポートフォリオがLCL(血の池)と化していたなら、その時はどうか遠慮なく、全力で笑ってほしい。