期待値で鯨になる

米国株・ETF・投資信託で資産を育てる合理主義投資ブログ。低コストという名の餌で巨大な鯨へ育てる観測日記。

【ニュース】金融所得、金融機関にオンライン提出義務 75歳以上保険料に反映へ

今日は、普段とは少し違う話をする。

オンラインニュースで、「金融所得、金融機関にオンライン提出義務 75歳以上保険料に反映へ」というなんとも世知辛い見出しを見かけたからだ。記事の途中から「ここからは有料記事です」となっていた為、後半が気になるところだが、当然お金は払わない。

後半に何が書いてあるかなど、この不穏な空気だけで十分察しがつくからだ。

これは、金融所得のオンライン提出義務化と後期高齢者医療保険料への反映という制度改正の一環だ。 今回のニュースは一見すると地味なシステム改修だが、その本質は逃げ場のないデジタル毛刈り会場のオープン告知だ。

 

2028年度、75歳以上の後期高齢者医療保険料に金融所得が反映

2026年度から突貫工事が始まり、2028年度には75歳以上の後期高齢者を対象とした新運用が始まる。確定申告をしない特定口座ならバレないという昭和の淡い期待は、デジタルの藻屑と消える。金融機関と自治体が裏側でガッチリ握手し、対象者の配当金は1円単位で保険料算定の生贄として捧げられるわけだ。

「貯蓄から投資へ」と金融所得捕捉の関係

国が新NISAだ!投資だ!と背中を押してくれたのは、我々に自由をくれるためではなかったらしい。タンス預金という捕捉しにくい草むらから、金融機関という見通しの良い牧草地へと我々を誘導し、毛の生え具合をリアルタイムで監視しやすくするためだったのだとしたら……なんという壮大な伏線回収だろうか。

出産費用無償化と金融所得捕捉の財源構造

今回の改正案には、標準的な出産費用を実質無償化する制度も盛り込まれている。高齢層の金融資産をきっちり捕捉して、それを次世代の支援に回す。社会全体で見れば富の再分配として美しく、文句のつけようがないほどに合理的だ。

ゴールポストはこちら側へ動く

今はまだ75歳以上という限定公開のベータ版だが、これがバグもなく運用されれば、全世代で公平に!というキラキラしたスローガンと共に、対象年齢がじわじわと引き下げられていくのはもはや馬鹿でも予測可能。我々が現役の間に、そのバリカンが足元まで届く覚悟はしておいたほうがいい。


未来の自分へ贈る心の準備

幸い、今はまだ我々の毛を刈るバリカンは温まっていない。だが、いずれ来る収穫の日に備えて、以下のマインドセットが必要だ。

  1. 利回り計算に上納金を組み込む
    これからの投資シミュレーションは、税引き後ではなく保険料引き下げ後で計算するのが紳士の嗜みだ。画面上の数字が増えるたびに、これで将来の誰かの出産費用や湿布代が潤うなと慈愛に満ちた笑みを浮かべられるようになれば、君も立派なシステムの歯車だ。
  2. デジタル管理社会への降伏
    隠そうとするからストレスが溜まる。むしろ私の所得をこんなに正確に把握してくれてありがとうと、管理される快感に目覚める方が精神衛生上よろしい。
  3. シニカルな笑いの習得
    せっせと育てた資産が、システムのバリカンでスルスルと刈り取られていく。その光景を、鏡の前で「ふふっ、合理的だね」と自虐的に笑い飛ばせる余裕。これこそが、未来を生き抜く最強の資産になる。

結局のところ、我々は国家という巨大な牧場のなかで、いかに健康で、適度に太った、毛質の良い羊でいられるかを競わされているわけだ。

この不条理なほど効率的なサイクルを理解した上で、それでもなお次は何に投資しようかなと数字をいじり続ける。

……なんて、言ってみたが、本当は次に何を毟り取られるのか、私は怯えている。

バリカンの音が聞こえてくるのは、いつだろうか。