期待値で鯨になる

米国株・ETF・投資信託で資産を育てる合理主義投資ブログ。低コストという名の餌で巨大な鯨へ育てる観測日記。

新NISAはオルカンかS&P500か?全世界株式vs米国株式の利回り・コスト比較。偏愛主義者の結論【2026年最新】

eMAXIS Slim全世界株式(オルカン)を巨大なクジラ、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)を強そうなクジラで表現した比較イラスト。新NISAでどちらを選ぶべきかを象徴的に描写。

低コストという名の餌を今日も撒く。そのたびに、私はふと思う。

世界中の海を泳ぎ回る巨大な鯨になるか、それともアメリカという一つの深淵に潜む、牙を剥いた巨獣に化けるか。

新NISAが始まって2年あまり。

世間は相変わらず、オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)か、S&P500(eMAXIS Slim 米国株式)かの不毛な宗教戦争を続けている。

私は自称・合理主義者だ。

感情を排し、データとリスク、そして途中で投げ出さない確率で判断を下す。 だからこそ、今日はその合理性の裏に隠した、私の極端な本音を吐き出してみる。

 

全世界株式(オルカン)のメリットと2026年の信託報酬

MSCI ACWI指数に連動するこのファンドは、2026年現在も投資の最適解として王座に君臨している。

先進国23カ国、新興国24カ国、約2,500銘柄への分散投資。

米国比率は約63%だが、日本、欧州、インドといった世界の残りがポートフォリオの重石となり、安定感をもたらしているのが特徴だ。

例えるなら、世界経済という大海原に、時価総額という巨大な網を広く張る漁師だ。

一国が沈んでも、他の海域が浮上すれば全体は維持される。 新興国の爆発的成長というまだ見ぬ大魚も、網にかかれば自動的に取り込める。

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の信託報酬は年0.0578%程度。

もはやコストはあってないようなものだ。

米国株式(S&P500)の利回りとボラティリティの真実

対するS&P500は、アメリカを代表する精鋭500社への集中投資だ。

AI・テックブームの恩恵をダイレクトに受けるMagnificent 7(マグニフィセント7)が、指数の心臓部を担っている。

例えるなら、アメリカ経済という急流に、身一つで飛び込むサーファーだ。

波を掴めば爆発的なスピードで頂点へ行けるが、逆波が来れば容赦なく叩きつけられる。 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の信託報酬は年0.0814%程度。

オルカンより僅かに高いが、これに文句を言うのは、高級フレンチでパンの粉の数を確認するような野暮な行為だ。

数字で見るガチンコ比較|2026年2月時点の観測データ

比較項目 全世界株式(オルカン) 米国株式(S&P500) 私の目線での勝者
主な投資対象 日本を含む世界47カ国 米国優良企業500社 オルカン
米国比率 約63% 100% -
過去10年年率リターン 約13.3% 約15.4% S&P500
リスク(標準偏差) 相対的に低い 相対的に高い オルカン
運用コスト(信託報酬) 年0.0578%以内 年0.0814%以内 オルカン
新NISAでの適正 万能の安定感 攻めの資産形成 オルカン

(出典:MSCI、S&P Dow Jones Indices。過去の実績は将来を保証しない。そんなことは百も承知だ)

過去10年は米国株の時代だった。

だが、歴史を紐解けば米国とそれ以外は交互に覇権を握ってきた。

2025年から2026年にかけては、ドル安の影響もあり米国を除く世界株が逆襲を始めている。 オルカンがS&P500を上回る月も、今や珍しい光景ではない。

10年間の戦歴|胃がざわつくリターン記録(2016-2025)

全世界株式(MSCI ACWI) 米国株式(S&P500) 勝者
2025 +22.8% +17.8% 全世界
2024 +18.0% +25.0% 米国
2023 +22.8% +26.2% 米国
2022 -17.9% -18.1% 全世界
2021 +19.0% +28.7% 米国
2020 +16.8% +18.4% 米国
2019 +27.3% +31.4% 米国
2018 -8.9% -4.4% 米国
2017 +24.6% +21.8% 全世界
2016 +8.5% +11.9% 米国

(注:米ドル建て・配当込み総リターン。過去のデータは将来の成果を示唆するものではない。頭では分かっているのだ、頭では)

合理主義者の皮を被った、私の偏愛結論

ここまでオルカンの分散の素晴らしさを説いてきた。

迷ったらオルカン。

分散こそが唯一のフリーランチ。

教科書通りの正論だ。

だが、私のポートフォリオを覗けば、そこには99%の米国株式が鎮座している。

合理主義者の仮面の下で、私はほぼ全財産を一国に賭けている。

合理的でありたいと願いながら、私の指先は米国一択というレバーを叩き続けている。それは、私が自分の欲と業を信じているからだ。

オルカンを7割、S&P500を3割混ぜるなどという胃に優しい合わせ技も検討したが、結局のところ、私はアメリカという快感から逃れられなかった。

私の鯨は、インドや欧州の穏やかな海を知らない。

アメリカという、最も残酷で、最も強欲で、最も成長に貪欲な激流の中で、今日も牙を研いでいる。 これは一種の信仰であり、自虐的なまでの賭けだ。

もちろん、他人に勧めるなら迷わずオルカンと言う。

だが、私はその非合理な選択を正当化しながら続けていく。

大事なのは、どの海を選ぶかではない。

市場がナイフを降らせようが、鯨が潮を吹かなくなろうが、

  • 低コストの餌(eMAXIS Slimシリーズ等)を撒き続けること
  • 10年、20年、絶対にその場を去らないこと

これだけだ。

この観測日記を書き終えて、私はまたS&P500という名の濃い餌を一握り撒く。 私の鯨は、まだ小さい。 


参考・出典データ