eMAXIS 日経半導体株インデックスは、三菱UFJアセットマネジメントが運用する日本の半導体関連株30銘柄に投資するインデックスファンドだ。信託報酬は年率0.297%、実

質コスト(総経費率)は0.33%(第2期実績)、購入時手数料ゼロ。連動指数は「日経半導体株指数」。eMAXISブランドの投資信託だが、東証ETFの200A(NF・日経半導体ETF)と同じ指数に連動している。つまり投資信託版の200Aという理解で概ねあっている。
- eMAXIS日経半導体株インデックスの基本スペック
- 組み入れ上位10銘柄(2026年5月末)
- パフォーマンスと設定来リターン
- eMAXIS日経半導体・200A・iFreeNEXT全世界半導体の違いとは?
- 総評:日本半導体の一括買いとしては合理的、ただしキオクシア次第
eMAXIS日経半導体株インデックスの基本スペック
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 連動指数 | 日経半導体株指数(トータルリターン) |
| 運用会社 | 三菱UFJアセットマネジメント |
| 設定日 | 2024年7月12日 |
| 純資産総額 | 1,178.57億円(2026年6月26日時点) |
| 信託報酬(総経費率) | 年率0.297%以内/総経費率0.33%(第2期実績・2026年1月決算) |
| NISA成長投資枠 | 対応(つみたて投資枠は対象外) |
日本経済新聞社が算出する、日本の半導体関連企業30銘柄で構成する株価指数。東京エレクトロン・アドバンテスト・ルネサスといった製造装置・ロジック系から、信越化学工業(半導体材料)・JX金属(銅箔)まで幅広く含む。年2回の定期入れ替えがあり、直近では2025年11月にキオクシアとJX金属が追加された。算出開始は2024年3月で、歴史は浅い。
組み入れ上位10銘柄(2026年5月末)
| 順位 | 銘柄 | 比率 | コメント |
|---|---|---|---|
| 1 | キオクシアホールディングス(285A) | 33.0% | 2025年11月追加後すぐに首位。1銘柄で純資産の3分の1 |
| 2 | 東京エレクトロン(8035) | 11.8% | 製造装置の顔。200Aでも同2位 |
| 3 | アドバンテスト(6857) | 8.7% | テスター世界首位。AI半導体需要で急伸 |
| 4 | ルネサスエレクトロニクス(6723) | 7.8% | 車載・産業向けロジック半導体 |
| 5 | ディスコ(6146) | 6.6% | ダイシング・研削装置で世界シェア高い |
| 6 | 信越化学工業(4063) | 4.3% | シリコンウェーハで世界首位 |
| 7 | レーザーテック(6920) | 3.5% | EUVマスク検査装置で独占的地位 |
| 8 | JX金属(5016) | 3.4% | 2025年11月追加の新参組。銅箔が主力 |
| 9 | HOYA(7741) | 2.8% | フォトマスク基板。地味に重要な素材 |
| 10 | ローム(6963) | 2.0% | パワー半導体・SiCデバイス |
上位10銘柄で全体の84%超を占める。30銘柄しかないのに上位集中度がこれだけ高い理由は、指数の構成ルールにある。
日経半導体株指数は時価総額加重方式を採用している。2025年11月にキオクシアが指数に追加された直後から、上場時の時価総額が大きかったこともあり一気に最上位に入った。1銘柄で純資産の3分の1を占める状態は、キオクシアの業績・株価に対してファンド全体が直撃を受ける構造を意味する。2026年6月26日に前日比▲7.35%という大きな下落があったのも、こうした集中構造と無縁ではない。
パフォーマンスと設定来リターン
| 期間 | ファンド | ベンチマーク(日経半導体株指数) |
|---|---|---|
| 過去1ヵ月 | +23.3% | +23.5% |
| 過去3ヵ月 | +42.2% | +42.8% |
| 過去6ヵ月 | +110.4% | +112.1% |
| 過去1年 | +220.4% | +223.6% |
| 設定来 | +132.6% | +132.2% |
※2026年5月29日時点。月次レポートより。インデックスファンドとしての追跡誤差は設定来でわずか0.4%。信託報酬分のコストがほぼそのままベンチマークとの乖離として現れており、想定どおりの動作をしている。
分配金は第1期(2025年1月)・第2期(2026年1月)ともにゼロ。元本の成長を優先する方針で、これは長期保有の観点では正しい判断だと思う。
eMAXIS日経半導体・200A・iFreeNEXT全世界半導体の違いとは?
日本の半導体に投資したいと調べると、eMAXIS日経半導体のほかに東証ETFの200A(NF・日経半導体ETF)とiFreeNEXT 全世界半導体株インデックスが候補に上がる。整理する。
| 比較項目 | eMAXIS日経半導体 | 200A(NF・日経半導体ETF) | iFreeNEXT 全世界半導体 |
|---|---|---|---|
| 連動指数 | 日経半導体株指数 | 日経半導体株指数 | NYSE FactSet全世界半導体株指数 |
| 投資対象 | 日本株のみ | 日本株のみ | 世界(エヌビディア・TSMCなど含む) |
| 信託報酬(名目) | 年率0.297% | 年率0.165% | 年率0.495% |
| 実質コスト(総経費率) | 年率0.33% (第2期実績・2026年1月決算) |
年率約0.26% (第4期実績・2026年4月決算、半期から年率換算) |
未公表 (2025年7月設定・初回決算前) |
| 購入時手数料 | なし | 売買手数料が別途かかる | なし |
| 積立設定 | 100円から可能 | 市場価格で売買(1口単位) | 100円から可能 |
| NISA成長投資枠 | 対応 | 対応 | 対応 |
| つみたて投資枠 | 非対応 | 非対応 | 非対応 |
同じ指数に連動する200AとeMAXIS日経半導体を比べると、名目の信託報酬は200Aが0.165%と低い。ただし実質コストで見ると200Aが約0.26%、eMAXISが0.33%と、差は名目ほど大きくない。200Aは証券口座で株と同様に売買するETFなので、毎月自動積立が難しく売買スプレッドもかかる。少額をコツコツ積み立てたいならeMAXIS、まとまった金額で効率重視なら200Aという使い分けになる。
iFreeNEXT 全世界半導体株インデックスとの違いは日本株のみか世界株も含むかだ。エヌビディアやTSMCといった米国・台湾の大型半導体株に乗りたいならiFreeNEXTのほうが向いている。なお実質コストは2025年7月設定で初回決算(2026年7月予定)前のため現時点では未公表。信託報酬0.495%に海外株・ETFの保管費用等が上乗せされる構造で、実質コストは0.6%台前後になる可能性がある。eMAXIS日経半導体は日本の製造装置・材料メーカー経由で半導体サイクルに乗る設計で、円建て完結なので為替リスクもない。
総評:日本半導体の一括買いとしては合理的、ただしキオクシア次第
eMAXIS日経半導体株インデックスの設計思想は明快で、日本の半導体バリューチェーン全体を一本のファンドで持つというものだ。製造装置(東京エレクトロン・アドバンテスト・ディスコ)、材料(信越化学工業・HOYA・JX金属)、ロジック(ルネサスエレクトロニクス・ローム)とそれなりに分散されており、円建て完結で為替を気にしなくていい点は日本株投資家には素直にメリットだ。
問題はキオクシアだ。1銘柄で33%というのは、インデックスファンドと聞いて想像する分散からはかなり遠い。NAND型フラッシュメモリの需給は半導体の中でも特にサイクルが激しく、業績の振れ幅が大きい。キオクシアが沈めば、このファンドも素直に沈む。2026年6月26日の前日比▲7.35%という動きはその構造の実例だ。
キオクシア1銘柄に33%が集中しており、キオクシアの業績ショックがファンド全体に直撃する構造になっている。加えて、同じ指数に連動するETF(200A)と比べて実質コストが0.07%高い。積立の手軽さを優先するか、コストを優先して200Aで手動管理するかは自分のスタイルで判断するべき問題だ。また2024年7月設定で半導体の下降サイクルをまだ経験していない点も、長期投資家としては念頭に置いておきたい。
それでも、100円から自動積立できてNISA成長投資枠で使えるという利便性は本物だ。日本の半導体関連企業に絞って積立で持ちたい人には、同じ指数の200Aと並んで素直な選択肢になる。連動指数が異なる2644や、米国半導体も含む2243、世界の半導体を一本で持てるiFreeNEXT全世界半導体と何が違うかは比較節を参照してほしい。キオクシア組入比率だけで200A・282A・野村と横並び比較したい場合はこちらのまとめ記事が早い。
口座をまだ持っていない場合は以下から開設できる。強制はしない。
・連動指数:日経半導体株指数(日本の半導体関連30銘柄)
・信託報酬(名目):年率0.297%以内。購入時手数料・留保額ともになし
・実質コスト(総経費率):年率0.33%(第2期実績・2026年1月決算)
・純資産:1,178億円(2026年6月26日時点)
・設定来リターン:+132.6%(2026年5月末、設定2024年7月)
・最大の特徴:キオクシア1銘柄に33%集中。上位10銘柄で84%超を占める高集中型
・NISA:成長投資枠のみ対応。つみたて投資枠は非対応
・同指数のETF(200A)との違い:実質コストはeMAXISが0.33%、200Aが約0.26%。積立の手軽さか低コストかで選ぶ