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米国株・ETF・投資信託で資産を育てる合理主義投資ブログ。低コストという名の餌で巨大な鯨へ育てる観測日記。

グローバルX半導体関連-日本株式ETF(2644)とは?東エレ・レーザーテックをまとめて買う東証ETFの中身を整理する【2026年】

東京エレクトロン、レーザーテック、アドバンテスト。この魅惑的な響きに釣られてポートフォリオに入れようとした個人投資家は星の数ほどいるだろう。

そして、現在の1株あたりの株価を見て「いや待って、これはどれだけの資金が必要なんだ? 私は石油王か何かか?」とそっと証券会社のアプリを閉じた経験があるはずだ。

そんな我々のような資金力に乏しい小市民の味方となるのが、これら国内の半導体エース級38銘柄をまとめて少額から買える「グローバルX半導体関連-日本株式ETF(2644)」だ。

2243(SOX指数・米国半導体・円建て)と混同しがちだが、全くの別物である。2644は純粋に日本企業だけで構成された半導体ETFだ。為替リスクという現代日本人を悩ませる不確実性がないぶん、米国半導体の波ではなく、日本の製造装置・素材サプライヤーの泥臭い(しかし強力な)動向に直結する設計になっている。

グローバルX半導体関連-日本株式ETF(2644)の特徴を示すインフォグラフィック。東京エレクトロン・レーザーテック・アドバンテスト・ディスコ・ルネサスなど高額個別株の価格タグが鎖でつながれ、ETF(2644)なら1口約4,794円から一括保有できることを図解。組み入れ上位銘柄の円グラフ(ルネサス12.56%・東京エレクトロン9.17%・レーザーテック8.77%・アドバンテスト8.58%・ディスコ7.86%等)と、38銘柄一括保有・為替リスクなし・NISA成長投資枠対象の3つの特徴を掲載。

グローバルX半導体関連-日本株式ETF(2644)とは?基本スペック

2644の正式名称は「グローバルX 半導体関連-日本株式 ETF」。2021年9月の東証上場で、後輩である2243(2023年4月上場)より2年近く長く市場の荒波に揉まれている先輩だ。

項目 内容
証券コード 2644
連動指数 FactSet Japan Semiconductor Index(配当込み)
運用会社 グローバルX(Global X)
信託報酬(総経費率) 0.649%(税抜0.59%)/総経費率 約0.77%(第8期実績)
純資産総額 1,001.46億円(2026年5月29日時点)
NISA成長投資枠 対象

純資産が1,000億円の大台を超えた。東証のテーマ型ETFとしてはかなりの規模感であり、自分が売る時に買い手がいないという流動性リスクの心配は比較的少ない。素直に評価できるポイントだ。

FactSet Japan Semiconductor Indexとは?
FactSetが算出する日本の半導体関連企業の指数。半導体の製造・加工・製造装置・素材などに関連する売上高比率で銘柄をスクリーニングし、浮動株時価総額ウェイトで構成。年2回(1月・7月)に銘柄入れ替えとリバランスが行われる。1銘柄あたりの上限ウェイトは10%。特定の企業と心中しなくて済む、合理的な安全装置付きだ。

2644の組み入れ銘柄:日本の半導体サプライチェーンの縮図

2026年5月末時点の組み入れ上位10銘柄は以下のようになっている。

順位 銘柄 比率 コメント
1 ルネサスエレクトロニクス(6723) 12.56% 車載・産業向けマイコン大手。10%上限ルールをその後の株価上昇で超えた状態
2 東京エレクトロン(8035) 9.17% 半導体製造装置の世界3強。1株数万円の値嵩株をETFで分割して持てる筆頭理由
3 レーザーテック(6920) 8.77% EUVマスク検査装置でほぼ独占。値動きの激しさも世界水準
4 アドバンテスト(6857) 8.58% 半導体テスター大手。AI半導体需要でHBMテスト向けが好調
5 ディスコ(6146) 7.86% 半導体ダイシング装置でグローバルシェア7割超の怪物
6 ローム(6963) 7.42% パワー半導体・SiCデバイスに強み。EVシフトの恩恵銘柄
7 SCREENホールディングス(7735) 7.08% 洗浄装置で世界トップクラス。地味だが半導体工程に不可欠
8 KOKUSAI ELECTRIC(6525) 5.85% 成膜装置メーカー。2023年東証再上場組
9 SUMCO(3436) 5.82% シリコンウェーハ世界2位。川上すぎて地味だが欠かせない存在
10 堀場製作所(6856) 3.77% 計測・分析機器大手。半導体製造プロセス管理に深く食い込む

上位10銘柄で全体の76.87%を占める。ルネサスが12.56%とトップだが、これは指数構築上の上限10%ルールがリバランス時点の制約であり、その後の株価上昇によって比率が一時的に上振れた結果だ。東京エレクトロン・レーザーテック・アドバンテストが8〜9%台で横並びしているのが特徴的で、1つの銘柄に全力投球して爆死するという個人投資家あるあるの悲劇を回避できる設計になっている。

業種内訳は電気機器が73.88%、機械が11.14%、金属製品が6.19%、精密機器が4.03%。製造装置・半導体設計・素材に偏った、まさに日本の半導体サプライチェーンをそのまま切り取った弁当箱のような構成だ。

2644のパフォーマンス:分配金実績は?

2026年5月29日時点の基準価額は479,410円(100口あたり)、1口あたり約4,794円。設定来リターンは分配金再投資ベースで+254.89%、基準価額ベースで+238.74%だ。

期間 基準価額リターン 分配金再投資リターン
1か月 +13.27% +13.27%
年初来 +60.24% +60.76%
1年 +151.54% +153.42%
3年 +178.72% +186.04%
設定来 +238.74% +254.89%

※2026年5月29日時点。分配金再投資基準価額は2024年10月11日に受益権口数1口につき2口の割合をもって分割を実施したため分割調整後の数値。

直近12か月の分配金実績(100口あたり・税前)は以下のとおりだ。

決算日 分配金(100口あたり)
2025/4/24 1,300円
2025/10/24 1,000円
2026/4/24 1,200円

設定来の分配金合計は7,600円(100口あたり)。12か月利回りは0.46%で、これを配当目的で買うETFと勘違いすると期待値を大幅に外すので注意が必要だ。2644の本質は値上がり益であり、分配金はおまけ程度に捉えておくのが正直なところだ。

口数分割に注意
2644は2024年10月11日に1口→2口の分割を実施している。分割前後で基準価額や分配金の数値が大きく変わるため、古いデータと比較する際は分割調整済みかどうかを確認すること。分割前のチャートをそのまま持ち出してあの頃は20万円台だったとやると話がかみ合わなくなる。

2644(日本版)と2243(米国版)の違いを比較する

半導体ETFを買いたいと言われた時、必ずと言っていいほど混同されるこの2本の違いをまとめておく。

項目 2644(日本株半導体) 2243(SOX指数・米国)
投資対象 日本企業のみ(38銘柄) 米国上場企業(30銘柄)
連動指数 FactSet Japan Semiconductor Index フィラデルフィア半導体株指数(SOX)
為替リスク なし(円建て日本株) あり(ドル建て資産を円換算)
信託報酬(名目) 0.649% 0.4125%
純資産総額 1,001.46億円 416.75億円
代表的な組み入れ ルネサス・東エレ・レーザーテック MU(10.86%)・NVDA(8.80%)・AVGO(8.09%)
12か月利回り 0.46% 0.13%
設定日 2021年9月 2023年4月

コストは2644の方が高い(名目0.649% vs 0.4125%)。一方で純資産規模・流動性では2644が約2.4倍上回っており、為替リスクを背負わずに済む分の精神的平穏も含めると、単純にどちらが優秀とは言い切れない。

余談だが、2243の組み入れトップは現在MU(Micron Technology)が10.86%で、NVDAの8.80%を上回っている。AI投資ブームからのHBM需要増でMUが存在感を増した結果だ。NVDAにフルベットするつもりでETFを買ったら、実はMUが一番重かったというのはETFあるあるだ。定期的に中身を確認する癖はつけておきたい。

どちらを選ぶかの目安
・NVDAやTSMCなど米国大手半導体に乗りたい → 2243
・東エレ・レーザーテックなど日本の製造装置・素材株に乗りたい → 2644
・円高リスクを避けたい → 2644
・コストを抑えたい → 2243
・キオクシアにピンポイントで乗りたい → 2644の組み入れ上位10銘柄にキオクシアは入っていない。200A・282A・eMAXIS・野村を比較したこちら

2644の総評:日本の半導体サプライチェーンを丸ごと買う合理性と、その限界

実質コスト約0.77%という数字は、eMAXIS Slim 全世界株(0.057%台)に見慣れた現代の投資家には確かに割高に映る。個別株を選定する手間を金で解決した代償と割り切るしかないが、それに見合う分散効果があるかどうかは立場によって評価が分かれる。

ちなみに組み入れ銘柄表を見て「あれ、キオクシアは?」と思った人もいるかもしれないが、正解だ。2644にキオクシアは入っていない。半導体関連という括りで一緒に語られがちな別商品との組入比率はこちらのまとめ記事で整理してある。

上位4銘柄で39%超という集中度も気になるポイントだ。ルネサス・東エレ・レーザーテック・アドバンテストが一斉に風邪を引けばETF全体が寝込む。そして為替リスクがないと言いながら、NVDAの決算や米国のAI需要がコケれば、当然日本の製造装置の受注も止まる。2644が純粋に米国半導体と独立して動くという幻想は持たない方がいい。2026年6月のSOX急落局面でも、2644はしっかり連れ安した。

それでも、東エレやレーザーテックを個別で買おうとして株価を見た瞬間に引き返した人間にとっては、1口約4,794円(2026年5月末時点)から日本の半導体サプライチェーン全体に乗れるという事実は、やはり合理的なツールだと思う。純資産が1,000億円を超え、流動性の心配がほぼ不要になったことも、地味に重要な進化だ。円高リスクを避けながら日本の製造装置・素材セクターに張りたい人の選択肢として、替えの効くものは少ない。

NVDAやMUの個別株を直接握りしめている人間からすると、2644のチャートを見ても「あ、そっち側の世界の話か」とどこか他人事に感じてしまうのは正直なところだ。しかし一方で、設定直後の2021〜2022年の半導体冬の時代を生き延びた保有者たちの設定来+238%という数字は、血を吐きながら握力を試された生存者たちの勲章でもある。もし私が設定直後にドヤ顔で買っていたら、間違いなく底値で狼狽売りしていただろう。

上位5銘柄で約46%という集中度を分散されてますと呼んでいいのかどうか、今でも若干釈然としない。ただ、個別株で東エレ・レーザーテック・アドバンテストの3銘柄を同時に保有しようとすると、それだけで数百万円が溶けていく。そう考えると、1口5,000円以下で38銘柄を抱えられるETFという発明は、我々のような資金に限りのある一般市民にとって、思っていたより偉大な存在なのかもしれない。

口座をまだ持っていない場合は以下から開設できる。強制はしない。

まとめ:グローバルX半導体関連-日本株式ETF(2644)

  • FactSet Japan Semiconductor Indexに連動。日本の半導体関連38銘柄を詰め込んだ純国産ETF(2021年9月設定)。
  • 組み入れ上位はルネサスエレクトロニクス(12.56%)・東京エレクトロン(9.17%)・レーザーテック(8.77%)・アドバンテスト(8.58%)・ディスコ(7.86%)の順。上位10銘柄で76.87%。
  • 信託報酬0.649%(税抜0.59%)/総経費率 約0.77%(第8期実績)・純資産1,001.46億円(2026年5月29日時点)・基準価額479,410円(100口)
  • 2243(SOX指数・米国株・円換算)と兄弟関係にある商品。為替リスクなし・日本株完結が最大の差別化ポイント。コストは2644の方が高い。純資産規模は2644が約2.4倍上回る。
  • 最低1口約4,794円からSBI証券等で購入可能。NISA成長投資枠対象。値嵩株を買えない我々が日本の半導体産業の成長に相乗りするための、現実的で合理的なツール。ただし上位5銘柄で約46%という集中度と、米国半導体との間接連動は理解した上で使う必要がある。