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米国株・ETF・投資信託で資産を育てる合理主義投資ブログ。低コストという名の餌で巨大な鯨へ育てる観測日記。

282A(グローバルX 半導体トップ10-日本株式ETF)とは?信託報酬0.11%とキオクシア23.0%集中の実態【2026年】

火曜の朝、サムスンが立派な好決算を叩き出したというのに、なぜか示し合わせたように沈んでいく時間外のストレージ株。目に優しい緑のチャートを呆然と眺めていた。

好材料出尽くしという便利な言葉で片付けられる市場の理不尽さに、思わず乾いた笑いが漏れる。現実逃避がてら、半導体関連ETFの信託報酬を安い順に並べて眺めるという、我ながらひどく不健全な趣味に興じていたのだ。すると、見慣れない銘柄が最前列にふんぞり返っているのを発見した。

それが282A(グローバルX 半導体トップ10-日本株式ETF)だ。0.11%という破格の数字を叩き出している割には、世間の話題に上らなすぎる気がする。誰もスコップを入れないなら、泥舟かもしれないが私が掘ってみるしかないだろう。

282A(グローバルX 半導体トップ10-日本株式ETF)のアイキャッチ画像。信託報酬最安水準0.11%、キオクシアHD・ルネサス・東京エレクトロンなど組み入れ上位10銘柄を紹介

282A(グローバルX 半導体トップ10-日本株式ETF)とは?基本スペック

282Aの正式名称は「グローバルX 半導体トップ10-日本株式 ETF」。2024年11月19日設定という、キオクシア関連ETF界隈ではかなりの若手だ。名前が示す通り、日本の半導体関連企業の中から、時価総額上位のたった10銘柄だけに絞り込んで投資するという、思い切りの良い(あるいは極端な)設計になっている。

項目 内容
証券コード 282A
連動指数 Mirae Asset Japan Semiconductor Top 10 Index(配当込み)
運用会社 Global X Japan(グローバルX)
信託報酬(総経費率) 0.11%(税抜0.10%)
純資産総額 185.09億円(2026年7月7日時点)
NISA成長投資枠 対象
連動指数の「Mirae Asset Japan Semiconductor Top 10 Index」は、韓国の資産運用大手Mirae Asset社が算出する指数だ。日本の半導体企業のうち、時価総額10億円以上・1日平均売買代金1億円以上・半導体関連事業からの収益割合20%以上という条件でスクリーニングし、浮動株調整後時価総額の上位10銘柄だけをピックアップする。銘柄入れ替えや比率調整は年2回(1月・7月)。いかにも日本の指数です。みたいな顔をしておきながら、中身は韓国製という地味なトラップが仕掛けられている。こういう紛らわしさ、嫌いじゃない。

特筆すべきは、やはり信託報酬0.11%(税抜0.10%)という圧倒的なコストの安さだ。同じテーマの200Aが0.165%、投資信託のeMAXIS日経半導体株インデックスが0.297%であることを考えれば、価格競争力は図抜けている。とはいえ、後述するように安いものには理由があるのが世の常だ。

282Aの組み入れ銘柄:上限15%を超えたキオクシア23.02%という現実

2026年7月3日時点の組み入れ銘柄は以下の10社(+先物ヘッジ分)で、対純資産総額比の合計は100.00%。看板に偽りなし、見事なまでに10銘柄しか入っていない。

順位 銘柄 比率 冷ややかな分析とコメント
1 キオクシアホールディングス(285A) 23.02% メモリ界の亡霊にして最大のバグ。上限を無視してついに23%台まで侵食。
2 ルネサスエレクトロニクス(6723) 14.51% 車載マイコンの雄。
3 東京エレクトロン(8035) 14.49% 製造装置の巨人。ルネサスとほぼ同率2位に肉薄する急伸ぶり。
4 アドバンテスト(6857) 10.86% テスタの覇者。
5 ディスコ(6146) 10.44% 超高収益の職人集団。
6 レーザーテック(6920) 6.86% ボラティリティの化身。これが混ざっている時点で、このETFが鉄火場である証明。
7 信越化学工業(4063) 6.81% ウェーハの絶対王者。
8 SCREENホールディングス(7735) 5.57% 洗浄装置トップ。
9 KOKUSAI ELECTRIC(6525) 3.74% 成膜屋。じわじわ比率を上げて存在感を出してきた、10銘柄枠の中の遅咲き。
10 富士電機(6504) 3.72% 渋すぎるパワー半導体。

業種内訳を見ると、電気機器(テクノロジー)が圧倒的多数で、上位3銘柄(キオクシア・ルネサス・東エレ)だけでポートフォリオの5割超を占拠している。10銘柄に濃縮還元している分、1社あたりの影響力は強烈だ。キオクシア単体の組入比率だけを他の商品とねっとり比較したい好事家は、キオクシア関連ETF・投資信託まとめを参照してほしい。

ここで一つツッコミを入れておく。指数のキャップルールでは、半導体・半導体装置サブグループの銘柄は上限15%、それ以外は上限10%と厳格に定められているはずだ。しかし、キオクシアは現時点で23.02%と、自らのルールを盛大にガン無視している。理由は単純で、比率調整が年2回(1月・7月)しかないため、直近のリバランス以降にキオクシアの株価が急騰した分が、そのまま放置されて膨張しきっているからだ。次回のリバランス(7月)でメスが入るだろうが、それまではルール超過?細けえことはいいんだよ状態がまかり通る。インデックス投資の適当…いや、おおらかさを感じるエピソードだ。

282Aのパフォーマンス:指数を上回れない優等生の宿命

累積リターン(2026年5月29日時点、分配金再投資ベース)を対象指数と並べてみた。

期間 基準価額(分配金再投資) 対象指数
1ヶ月 +18.11% +18.13%
年初来 +79.62% +80.00%
1年 +186.78% +188.07%
3年 -(運用期間が3年に満たないため未算出) -
設定来 +155.99% +157.11%

見ての通り、全期間にわたって基準価額は指数にわずかに負け続けている。信託報酬0.11%を筆頭に、売買コストや先物ヘッジのブレなどが積み重なった結果だ。差自体は1〜2%程度とごく僅かで、致命傷というほどのものではない。むしろ安いなりにちゃんと指数に食らいついているという健闘ぶりの証明とも言える。

基準価額は300,825円(100口あたり、7月3日時点)で、直近分配金は500円(2026年5月10日、100口あたり)。年2回(5月・11月)分配、12か月利回りは0.33%。ちまちま配当を拾う器ではなく、キャピタルゲインで力強くぶん殴りにいくスタイルの商品だ。

設定来リターンの異常な高さは、要するに半導体の地獄(下降サイクル)を一度も味わっていないという事実の裏返しに過ぎない。設定は2024年11月、この記事を書いている2026年7月時点でまだ運用2年に満たない。右肩上がりの温室しか知らないファンドの過去実績など、将来のシミュレーションに使うにはいささか楽観的すぎる。

282Aと200Aを比較:どちらを選ぶべきかという贅沢な悩み

キオクシア関連ETFとして、真っ先に血祭りに…いや、比較対象に上がるのが200Aだ。同じ半導体という看板を掲げていながら、設計思想は水と油ほど違う。

項目 282A 200A
連動指数 Mirae Asset Japan Semiconductor Top 10 Index 日経半導体株指数
組入銘柄数 10銘柄 30銘柄前後
キオクシア組入比率 23.02%(7月3日時点) 33.38%(7月3日時点)
信託報酬(総経費率) 0.11% 0.165%/総経費率約0.26%
純資産総額 185.09億円 1,412.31億円
設定日 2024年11月19日 2024年06月04日

信託報酬の安さなら282Aの圧勝、規模の暴力と実績の安心感なら200Aの圧勝。見事なまでの住み分けだ。282Aの銘柄数は200Aの3分の1程度しかないため、1銘柄がコケた時のダメージは当然デカくなる。

キオクシアの比率を少しでもマイルドに抑えつつ半導体に鋭く張りたいなら282A、王道の規模感に身を委ねたいなら200A、という選び方に落ち着くだろう。

もし投資信託でチマチマ積み立てたいならeMAXIS日経半導体株インデックスに逃げ道があるし、半導体は欲しいがキオクシアの船には乗りたくないというへそ曲がりには2644という別ルートも用意されている。

この5本を並べてあーだこーだ言いたい人はキオクシア関連ETF・投資信託まとめを眺めてみてほしい。

282Aの総評:安さと引き換えに差し出す安定という対価

信託報酬0.11%という数字は、単体で見れば文句のつけようがない優等生だ。だが、その裏にはたった10銘柄という荒々しい素顔が隠れている。上位3銘柄で5割を超え、キオクシアに至っては指数のキャップルールをぶち破って巨大化している有様だ。これはもはや分散投資と呼べる代物ではなく、ただの厳選投資である。

半導体セクターの未来を妄信しており、かつ銘柄選びの手間を省きたい合理主義者にはうってつけだが、半導体って儲かるんでしょ?と名前の響きだけで手を出した初心者は、中身のピーキーさに振り落とされるかもしれない。

加えて、設定から2年に満たない若造であることも忘れてはいけない。設定来+156%という眩しい数字は、相場全体がハッピーだった時期を切り取っただけの盛れたプロフィール写真のようなものだ。

下降トレンドに突入した時、この尖った10銘柄がどう振る舞うかは、まだ誰にも分からない。純資産185億円という規模も、200Aの1,400億円台という巨塔と比べれば、まだまだ発展途上のひよっこだ。

これだけ信託報酬の安さを熱く語り、記事を1本書き上げておきながら、私の指は証券会社の購入ボタンを1ミリも押していない。安物買いの銭失いを極度に恐れるあまり、優秀な安物すら買えないという、投資家として最も救いようのない状態に陥っている自覚はある。どうか優しい笑いで包み込んでほしい。

口座をまだ持っていない場合は以下から開設できる。強制はしない。

まとめ:282A(グローバルX 半導体トップ10-日本株式ETF)

  • 282Aはキオクシア比率23.02%まで拡大し、指数が定める上限15%を大幅超過中(次回リバランスは7月)。Mirae Asset Japan Semiconductor Top 10 Indexに連動し、日本の半導体時価総額上位10銘柄だけに全力投球するETF(2024年11月19日設定)。
  • 信託報酬0.11%(税抜0.10%)は、キオクシア関連ETFの中で見事なまでの最安水準。
  • 組み入れ上位はキオクシア(23.02%)・ルネサス(14.51%)・東エレ(14.49%)。上位3銘柄で5割超を占めるという偏食ぶり。
  • 基準価額は全期間で対象指数にわずかに劣後するが、差は1〜2%程度と誤差レベル。純資産総額185.09億円(2026年7月7日時点)、設定来リターン+155.99%(分配金再投資、5/29時点)。運用期間2年未満の温室育ちで、冬(下降相場)の厳しさは未経験。
  • 同テーマの200Aと比べると圧倒的に低コストだが、銘柄数が少なくピーキー。投信派にはeMAXIS、キオクシア回避派には2644という逃げ道もある。