期待値で鯨になる

米国株・ETF・投資信託で資産を育てる合理主義投資ブログ。低コストという名の餌で巨大な鯨へ育てる観測日記。

NISAで買える国内ゴールドETFを比較する|314A・425A・447A・1328・1540を信託報酬と流動性で選ぶ【2026年6月】

証券会社のアプリを開き、ゴールドETFと検索窓に打ち込む。すると、314A、425A、447A、1328、1540といった、まるでパスワードの自動生成ツールが吐き出したような無機質なコードが並び、そっと画面を閉じたくなる。

だが、真の恐怖はそこではない。信託報酬の表面上の数字と実質コストが平然と食い違っているという事実だ。

「信託報酬0.0275%!これで決まりだ!」と歓喜した数分後、目論見書の奥底で実質コスト0.1775%という記述を見つけ、己の浅はかさを呪うことになる。詐欺とは言わないが、見事な初見殺しだ。

ネットの海を漁っても、出てくるのは運用会社のポジショントークか、すべてを平等にヨイショする八方美人な記事ばかりだ。誰も本当の序列を教えてくれないこの地獄を、今回は私が整理してやろう。

この記事では国内ゴールドETF5銘柄を、信託報酬(表示)・実質コスト・流動性・現物保管の有無で横並びに引きずり出し、どれを選ぶべきかを白日の下に晒す。

金投資の手段全体(現物・投信・純金積立との使い分け)を先に整理したい場合はこちら

新NISA対応の国内ゴールドETF5銘柄のコスト比較図。表面上の信託報酬(0.0275%)と隠れコストを含んだ真の実質コスト(0.1775%〜)の罠を対比し、最安クラスとして1328と425Aを提示している。

国内ゴールドETF5銘柄の基本スペック比較とは?

銘柄コード 名称 運用会社 信託報酬
(表示)
実質コスト 純資産規模 現物保管 NISA 備考
1328 NEXT FUNDS 金価格連動型 野村アセット 0.176% 0.176% 中(約549.3億円) ×(先物合成) 先物合成、実質コストほぼ表示と同
314A iシェアーズ ゴールドETF ブラックロック 0.22% 0.22% 大(約748.3億円) ×(海外ETF経由) 海外ETF経由だが、公式で0.22%明示
425A グローバルX ゴールドETF グローバルX 0.0275%(管理費用) 0.1775% 小〜中(約204.8億円) ○(国内保管) 投資対象ファンド分を含む実質コスト
447A ステート・ストリート・スパイダー ゴールドETF ステート・ストリート 0.077%(管理費用) 0.177% 小(約35.2億円、2025年11月上場) ×(GLDM経由) GLDM費用上乗せ分あり
1540 純金上場信託(金の果実) 三菱UFJアセット 0.44% 0.44% 最大 ○(国内保管) 現物保管型。総経費率0.46%とほぼ同水準

表を一瞥して、425Aが0.0275%で爆安じゃないかと目を輝かせたなら、あなたは金融業界が最も好むカモの素質がある。私も最初はそうだった。あの魅惑的な数字には立派な罠が仕掛けられている。詳しくは後述する。

新NISAの成長投資枠には5銘柄すべてが対応している。ただしつみたて投資枠は門前払いだ。毎月自動でコツコツ積み立てたい面倒くさがりな人は、大人しく投資信託を選んだ方がいい。コストの結論を先出しすると、実質コスト最安は1328(0.176%)。現物保管というロマンを捨てきれないなら425A(実質0.1775%)が最有力だ。表面上の数字に騙されてはいけない。

各銘柄の特徴とは?

1328|NEXT FUNDS 金価格連動型(野村アセット)

2007年から生き残っている歴戦の古参兵。信託報酬0.176%は堂々の最安値だ。純資産も約549億円と潤沢で、流動性という名の安心感も備わっている。

こいつの素晴らしいところは、先物・合成型ゆえに隠れコストが乗っかってこない点だ。実質コストも0.176%のままという、この業界では珍しいほど真っすぐな性格をしている。

金の延べ棒を実際に保管しておいてほしいという現物フェチには物足りないだろうが、純粋にコストと流動性で殴り合うなら、こいつが最強だ。

華はないが、堅実でコスパが良い。人生の真理を見せられている気分になる。

314A|iシェアーズ ゴールドETF(ブラックロック)

2025年1月上場。信託報酬0.22%は少々割高に感じるが、ブラックロックというブランド力と、IAU(米国ETF)が裏付けという絶対的な安心感がある。純資産も約748億円まで育ち、流動性も盤石だ。

実質コストもこの0.22%にほぼ収まっており、数字を低く見せかけるような小賢しい真似をしていない点には好感が持てる。高くても良いものをというブルジョア志向のあなたにはぴったりだが、現物を国内保管しているわけではないので注意だ。

425A|グローバルX ゴールドETF(グローバルX)

2025年9月に上場し、信託報酬0.0275%という狂気的な数字で投資家を釣りにきた問題児だ。私も危うく一本釣りされるところだった。

だが、この数字はあくまで管理費用の皮を被った罠。投資対象ファンドの費用がちゃっかり上乗せされ、蓋を開ければ実質コストは0.1775%に着地する。表示の約6.5倍に膨れ上がるマジックには拍手を送りたい。

とはいえ、実質0.1775%という数字自体は現物保管型の中では文句なしの最安だ。罠だマジックだと文句を垂れたが、結局のところ現物保管+低コストを求めるならこいつ一択になるのが悔しいところである。

純資産規模がまだ小さいため、スプレッド(売買差)が開きやすい点だけは胸に刻んでおいてほしい。

純資産が少なく流動性の低いETFを成行で買うのは、目隠しして高速道路を歩くようなものだ。425Aや後述の447Aを買うときは、必ず指値で現在値付近を狙い撃ちすること。とりあえず成行が許されるのは、純資産の暴力を持つ1540くらいだ。

447A|ステート・ストリート・スパイダー ゴールドETF(ステート・ストリート)

2025年11月上場のピカピカの新人。表示上の管理費用は0.077%だが、裏付けはGLDM(米国のゴールドミニシェアーズ)経由のため、そちらの費用が加算されて実質コストは0.177%になる。もうこの手の後乗せサクサクなコスト構造には慣れてきた頃だろう。

世界最大の金ETF運用会社が出した東証版というブランド力は申し分ないが、なにせ上場したてで純資産が約35億円と心許ない。

流動性の低さは、スプレッドという名の通行料となって投資家の財布を削りにくる。新しもの好きというだけで飛びつくと痛い目を見るぞ。

1540|純金上場信託・金の果実(三菱UFJアセット)

国内最大の純資産規模を誇る絶対王者。流動性については右に出る者がいない。国内に金の現物を保管しており、一定口数を超えれば現物の金と交換できるという、金持ち専用のロマンチックな機能まで備えている。

信託報酬は0.44%(総経費率0.46%)と、表示と実質の乖離がない優等生だが、いかんせん絶対値が高い。

王者の安心感が欲しいという気持ちは痛いほどわかる。だが、0.44%というコストは、毎日チクチクと確実に資産を削り取る見えない呪いだ。1328(0.176%)との差は、20年もすれば鼻で笑えない金額になる。安心感にいくら払うかは個人の自由だが、私は骨の髄までコスト至上主義者なので、1円でもケチる道を選ぶ。流動性の安心を取るか、低コストの優越感を取るか。究極の選択だ。

どれを選ぶべきか?タイプ別の選び方

優先したいこと おすすめ銘柄
とにかく実質コスト最安・現物保管不要 1328(実質0.176%)
実質コスト最安クラス+現物国内保管も欲しい 425A(実質0.1775%)
流動性最優先・売買のしやすさ重視 1540(純資産最大)
ブラックロックの信頼性が欲しい 314A
SPDRブランド+実質低コストで持ちたい 447A(流動性は現状低め)

コスト至上主義なら1328か425Aの二択だ。現物の有無という宗教上の理由でどちらかを選べばいい。1540は流動性という精神安定剤を0.44%のコストで定期購入しているようなものだ。

国内ゴールドETFと米国ゴールドETFの違いとは?

円建てでスッキリ完結させたい、為替手数料なんて払いたくないというなら国内ETFで正解だ。だが、もしあなたが私と同じく0.01%でもコストを削りたいという業を背負っているなら、米国ETFの世界を覗く覚悟が必要になる。

IAUMなんて経費率0.09%だ。1328の実質0.176%が霞んで見える。為替手数料を考慮しても、長期保有なら米国ETFが勝つ算段は十分にある。円建ての安心感と圧倒的な低コスト。結局、自分がどちらの不安に耐えられないかで決めるしかない。

米国ETF(IAUM・GLDM・GLDの比較はこちら)も視野に入れる価値はある。

NISAでゴールドETFを買う方法とは?

5銘柄すべてが新NISAの成長投資枠で拾える。SBI証券や楽天証券などを開き、無機質な銘柄コードを打ち込んで口数を指定するだけだ。株を買うのと何も変わらない。1口数百円から数千円で買えるので、晩酌のビールを数日我慢すれば余裕で手が届く。

証券会社 NISA売買手数料 口座を開く
SBI証券 無料 口座を開く
楽天証券 無料 口座を開く
マネックス証券 無料 口座を開く
松井証券 無料 口座を開く
再度警告しておくが、ゴールドETFはつみたて投資枠では買えない。毎月の手動買い付けを忘れる自信があるズボラな人間は、黙って投資信託(ゴールド投資信託比較はこちら)の自動積立を設定しておくのが一番賢い。

まとめ|国内ゴールドETF5銘柄の選び方

・国内ゴールドETFの主要5銘柄は1328・314A・425A・447A・1540
・実質コスト最安は1328(0.176%)。現物国内保管型での実質最安は425A(0.1775%)
425Aの信託報酬0.0275%は管理費用のみの罠。実質コストは0.1775%だ
・純資産最大・流動性最高は1540だが、実質0.44〜0.46%と信託報酬は群を抜いて高い
・447Aは2025年11月上場で流動性がまだ低く、今は様子見の段階
・314Aはブラックロックのブランド力と安定した流動性が魅力(実質コストは中位)
・5銘柄すべて新NISA成長投資枠に対応。つみたて投資枠は無し
・経費率の絶対的な底を這いたいなら、米国ゴールドETF(IAUM:0.09%)も視野に入れろ