期待値で鯨になる

米国株・ETF・投資信託で資産を育てる合理主義投資ブログ。低コストという名の餌で巨大な鯨へ育てる観測日記。

【2026年最新】地政学リスクで株は暴落する?イラン・アメリカ戦争が株価に与える影響と投資戦略

最近、ガソリンスタンドの料金表示を見るたびに軽い目眩を覚える。

2026年2月末から始まった米・イスラエルによるイラン攻撃。

最高指導者ハメネイ師の死亡報道やら、ホルムズ海峡の封鎖危機やら、世界は物騒なニュースで持ちきりである。

ニュースでは世界の終わりのような見出しが並び、日経平均は一時2,000円超の大暴落を記録。原油価格はあっけなく100ドル台を突破。

私がコツコツと育ててきたささやかなポートフォリオも、見事に焼け野原である。

だが、少し冷静になってほしい。

画面の向こうの悲劇は確かに私の財布にダイレクトアタックを仕掛けてくるが、結論から言えば、地政学リスクで株価は皆が恐れるほどには下がらないのだ。

感情に振り回されて狼狽売りに走る前に、歴史の事実を振り返る必要がある。

今回は、この不安な相場における過去の地政学リスクによるドローダウン(下落率)の実態と、自身の恐怖心を客観視するための最強ツールFear & Greed Indexの活用法について解説する。

前回の原油高騰記事でも触れたが、市場のパニックに飲み込まれないための防御力こそが、長期投資の要だ。

 


地政学リスクでは意外と株価は下がらないという歴史的事実

人間は未知の恐怖に直面すると、最悪のシナリオばかりを想像してしまう生き物だ。2026年イラン情勢の悪化で、株価は半値になるのではないか。原油高騰で世界経済は崩壊するのではないか。そんな不安が頭をよぎるのも無理はない。

だが、投資の世界において地政学リスクは買い場であるというのが、歴史が証明する冷酷なまでの事実だ。過去の大きな紛争やテロ事件を振り返ってみよう。

過去の主要な地政学リスクと株価の下落幅を整理すると、以下のようになる。

歴史的イベント 株価の最大下落 回復までの期間
湾岸戦争(1991年) 約−17% 約6ヶ月
米同時多発テロ(2001年) 約−12% 約2ヶ月
クリミア危機(2014年) 約−6% 約1ヶ月
ロシア・ウクライナ侵攻(2022年) 約−10% 約1〜2ヶ月

世界を震撼させた有事における米国株(S&P500など)の最大ドローダウンは、平均して5〜15%程度に収まっている。

もちろん、局地的なパニックによって数日は激しい下落を見せる。

しかし、リーマンショックのような金融システムそのものの崩壊を伴わない限り、地政学リスク単体で致命的な暴落が何ヶ月も、何年も延々と続くことは極めて稀なのだ。

過去の有事から読み解く、回復までのタイムライン

さらにデータを深掘りすると、有事発生から相場が底を打つまでは、平均して15〜18日程度しかかからないことが分かっている。

そして、底を打ってから1ヶ月以内には、下落前、あるいはそれ以上の水準にほぼ回復するパターンが圧倒的に多い。

つまり、一時的に下がるが、すぐ戻るというのが地政学リスクの歴史的な最大の特徴だ。

戦争のニュース速報を見て慌てて持ち株を投げ売りした時点で、それは将来の利益を放棄し、自ら損失を確定させにいく自傷行為に他ならない。

資本主義は戦争すらも飲み込んで成長を続けるという、ある種グロテスクだが頼もしい性質を持っているのだ。

株価の回復は平均15日。私の歯茎の回復も似たようなものだが、口座の痛みはしばらく消えそうにない。(インプラント入れました)

自分の恐怖心を客観視する最強ツール Fear & Greed Index

頭で歴史的にはすぐ回復すると理解していても、自身の口座残高が日々目減りしていくのを見れば、誰だって恐怖を感じる。理屈で感情を完全にコントロールできるなら、誰も投資で苦労はしない。

そんな時、自分の感情を客観視し、パニックを鎮めるための強力なツールがCNNのFear & Greed Index(恐怖と強欲指数)だ。

Fear and Greed Index - Investor Sentiment | CNN

CNNビジネスのFear & Greed Indexのインジケーター画像。目盛りは左端の赤いエリア「EXTREME FEAR」を指しており、中央下部には現在のスコアとして「21」という数字が表示されている。

CNN Fear & Greed Indexの数値は「21」。市場がパニックに支配されたExtreme Fear(極度の恐怖)状態にあることを示している。
歴史が教える絶好の買い場は、まさに今のような、誰もが投げ出したくなる瞬間に訪れるものだ。

これは市場の心理状態を0から100の数値で可視化した指数だ。市場のボラティリティ、安全資産への逃避需要、ジャンク債の需要など複数の指標から算出されている。

この指数が0〜25の範囲にある時はExtreme Fear(極度の恐怖)を示しており、市場全体が過剰に怯え、パニック状態で売られすぎている明確なサインとなる。

もし私が異常な恐怖を感じ、今すぐNISA口座の投資信託をすべて解約してしまいたい衝動に駆られているなら、それはすでに自身のリスク許容度を超過している証拠だ。

しかし、市場参加者の大半が同じようにパニックになっているExtreme Fearのタイミングこそが、実は絶好の買い場となることが多い。

個人投資家にとって最大のリスクとは、市場の暴落そのものではない。

自分の恐怖心に負けて、大底で売らされることだ。

自分が怖いと感じた時こそ、この指数を見て、これは市場全体が過剰に反応しているだけだ、と客観視することが求められる。

今こそ積立継続のチャンス:狼狽売りを避け淡々と買い向かえ

結論として、この不安定な相場で私が取るべき行動指針は極めてシンプルだ。

一時的な下落は歴史的に必ず回復してきた。とりわけ地政学リスクに関しては下がらない・すぐ戻るパターンが王道だ。

感情に任せた狼狽売りを全力で避け、これまで通りNISA口座でのeMaxis Slim米国株式(S&P500)への積立投資を、ただ淡々と継続する。

相場が下がっている時は、同じ金額でより多くの口数を買えるバーゲンセールに他ならない。恐怖が市場を支配している今こそ、将来の大きな利益に向けて安く仕込める、積立継続の絶好のチャンスなのだ。


まとめとよくありそうな疑問

  • 過去の地政学リスクによる株価下落のドローダウンは限定的であり、平均1ヶ月程度で回復する傾向がある。
  • 自分の恐怖心を客観視するには、CNNのFear & Greed Indexを活用する。
  • 最大の失敗は大底での狼狽売り。暴落時こそ積立投資を継続するべきだ。

Q. 2026年のイラン・米国情勢は、過去の戦争とは規模が違うのではないか?

A. 今回だけは特別だ、過去のデータは通用しない、というのは、暴落時に必ず湧き出る常套句だ。もちろん未来のことは誰にも分からないが、過去の幾多の危機を乗り越え、最高値を更新し続けてきた市場の回復力を信じる方が、確率論としてはるかに合理的だ。

Q. 原油高騰が長引けば、世界的なインフレで株価は下がったままになるのではないか?

A. 短期的にはコスト増で企業業績を圧迫し、株価の重しになる可能性はある。しかし、長期的に見れば株式はインフレに強い資産(インフレヘッジ)としての側面を持つ。目先の値動きで右往左往し、焦って売却する必要はない。


私の実体験:火の中に飛び込むなと言いつつ……

最後に、私自身の状況を少しだけ語っておこう。

今回の2026年イラン米国戦争を背景とした暴落について、今も問題は解決の糸口を見せていないが、私は基本的には静観し、ルール通りに買っている。少なくとも、パニックに陥って狼狽売りはしていないと胸を張って言える。

……と言いたいところなのだが、正直に白状しよう。

実は先日、手持ちの日本株を100株だけ売却した。

理由は非常に単純で、ただ単に金がなかったからだ。

先日、インプラントの施術を行った。そのための資金調達だ。

火の中に飛び込むな、恐怖に負けて売るな、と偉そうに説教を垂れておきながら、自分自身の歯を救うために市場からそそくさと一時退却する。我ながら見事な二枚舌だ。

どうか私を反面教師にし、歯の健康と口座残高の両方を大切にしながら、この難局を笑って乗り切ってほしいものだ。