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こどもNISAとは?2027年開始|年60万円・非課税無期限のメリット・デメリットとジュニアNISA比較

こどもNISAが2027年1月に始まる。0〜17歳を対象に年間60万円・生涯600万円・非課税無期限で積み立てられる、旧ジュニアNISAの後継制度だ。

重い腰を上げるのが趣味の政府が、ようやく子どもの資産形成に本気を出したらしい。

旧ジュニアNISAの欠陥だった18歳まで引き出せない制限と5年の非課税期限を改善し、18歳以降は通常NISAへ自動移行する設計になった。

2023年末に誰にも看取られず静かに息絶えた旧制度の、致命的な欠陥を修正した形での再登場だ。

ちなみに我が家では、旧ジュニアNISAの口座が2つある。

日々のカオスな育児で理性を失いかけているが、2口座合計の含み益は現時点で+429万円を超えており、私の心の平穏を辛うじて保ってくれている。

その経験から言わせてもらうと、子どもの非課税投資は親の老後資金と並行して考えるべき最優先の選択肢だ。

詳細な運用実績は前回の記事(旧ジュニアNISAをS&P500で5年運用した結果|評価額600万円・利回り+99%) に記載してあるが、今日はその経験を踏まえた上でこどもNISAの全容を解説する。

こどもNISAと旧ジュニアNISAの比較表

2027年から始まる「こどもNISA」の全容。年60万円の投資枠や非課税期間の無期限化など、旧ジュニアNISAからの変更点を比較。

 

こどもNISAとは?スペックを数字で整理する

感情や親の無償の愛はいったん隅に置いて、まずは冷徹に数字を確認する。投資に愛は不要だ。

項目 こどもNISA
対象年齢 0〜17歳(1月1日時点)
年間投資枠 60万円(月5万円)
非課税保有限度額 600万円
非課税期間 無期限
対象商品 つみたて投資枠対象の投資信託のみ
払い出し 原則制限。12歳以降は条件付きで可
開始時期 2027年1月1日(予定)
18歳到達後 通常NISAのつみたて投資枠に自動移行

ポイントは18歳で自動移行と非課税無期限の2点だ。

18歳になった瞬間、こどもNISAのポートフォリオは手続き不要で通常NISAのつみたて投資枠へ引き継がれる。

売却も手続きも不要。複利が途切れないまま成人のNISAへバトンが渡る。

旧制度のロールオーバー手続きが消え去った。

これだけで白飯3杯はイケる改善だ。

ただし一点、誤解しやすい構造がある。

こどもNISAで使った600万円は、子どもが18歳以降に使える通常NISAの生涯枠1,800万円から差し引かれる

非課税枠が純増して合計2,400万円になるわけではなく、前倒しで積み上げるための仕組みだと理解した方が正確だ。

0歳から600万円を使い切った場合、18歳以降の残り枠は1,200万円になる。世の中そんなに甘くない。

旧ジュニアNISAとの3つの決定的な違い

旧ジュニアNISAは2016年に産声を上げ、2023年末に静かに市場から退場した。

口座数は最終的に約99万口座。通常NISAの約1,090万口座と比べると、普及したとは到底言えない惨状だった。誰も使わない制度を作らせたら天才的だ。

なぜ使われなかったのか。理由は3つあった。そしてこどもNISAは、その3つをすべて修正してきた。

① 18歳まで引き出せない制限が緩和された

旧ジュニアNISAの最大の欠陥は、18歳まで原則として資金を引き出せないことだった。現実の育児は、18年後まで一切手をつけられない資金を歓迎しない。

中学受験の塾代、高校入学金、想定外の出費——子育てには金がかかるタイミングが18歳より手前に山ほどある。

こどもNISAでは、12歳以降に子のためであるという用途確認と子本人の同意があれば、親権者が払い出しを申請できる見込みだ。

完全な自由ではないが、旧制度のあの鋼鉄の掟に比べれば随分マシになった。

② 非課税期間が無期限になった

旧ジュニアNISAは非課税期間が原則5年で、18歳まではロールオーバーが必要で、ただでさえ忙しい親のHPを削ってくる。

こどもNISAは非課税期間が無期限だ。一度積み立てた資産を延々と非課税のまま寝かせておける。放置プレイが正当化される素晴らしい仕組みだ。

③ 成人NISAへ自動移行する

旧制度では18歳以降の扱いに手間が生じたが、こどもNISAは18歳到達時点で通常NISAのつみたて投資枠へ自動移行する設計だ。

子ども自身が何もしなくても、非課税の運用が大人のNISAへそのまま引き継がれる。

比較項目 旧ジュニアNISA こどもNISA
年間投資枠 80万円 60万円
非課税期間 原則5年 無期限
払い出し 18歳まで原則不可 12歳以降、条件付きで可
対象商品 株式・投資信託 投資信託のみ
成人後の扱い 手動手続き必要 通常NISAへ自動移行
生涯枠との関係 独立した別枠 1,800万円の中から充当

年間枠は80万円から60万円に減った。

しかし使われない80万円より、使いやすい60万円の方が価値は高い。旧制度の失敗がその証拠だ。

私のような一般庶民には月5万円でも十分すぎる額だ。

ただし、旧制度は個別株・ETFも買えたのに対しこどもNISAは投資信託のみとなるため、個別株派には後退かもしれない。

対象商品も拡充される

こどもNISAと同時に、つみたて投資枠の対象商品も広がる予定だ。

これはこどもNISAに限らず、既存の成人NISAにも影響する改正だ。

読売株価指数(読売333)」連動ファンドおよび「JPXプライム150指数」連動ファンドが、つみたて投資枠の対象に加わる予定だ。

前者は日本主要333銘柄、後者はROEやPBRなどの資本効率が高い国内150銘柄で構成される指数だ。

 

また、債券比率が高い投資信託も対象に追加される見込みだ。

これまで株式中心だった対象ラインナップに、よりリスクを抑えた選択肢が加わる。

高齢層の安定運用ニーズへの対応と読める。

加えて、定期売却サービスに限り、これまでゼロが原則だったつみたて投資枠での手数料徴収が認められる方向だ。

老後の資産取り崩しフェーズに入った人向けの利便性改善だ。

S&P500一辺倒の私には読売333もJPXプライム150も今すぐ食指は動かない。

米国株のボラティリティに胃を揺らされるのが私の日課だからだ。

しかし選択肢が増えること自体に文句をつける気はない。

こどもNISAと児童手当のコンボで18年後にいくらになるか

2024年10月の児童手当拡充により、子ども1人あたりの受取総額は約234万円になった(所得制限なし、0〜2歳月1.5万円・3〜17歳月1万円のベース概算)。

この受給額をそのままこどもNISAに全額投入した場合。

計算条件は、0〜2歳(36ヶ月)は月1.5万円、3歳〜17歳(180ヶ月)は月1万円——年利5%(月利約0.407%)で積み立てると以下のようになる。

 

項目 数値
月積立額 0〜2歳:月15,000円/3歳以降:月10,000円
積立期間 18年
想定利回り 年5%
投資元本 約234万円
18年後の評価額(概算) 約414万円
非課税メリット(20.315%分)  約36.5万円の節税効果

自分の財布から1円も出さず、国から受け取った児童手当を右から左へ流すだけで410万円近い資産を作れる可能性がある。

錬金術か?これをやらない理由が思いつかない。

もちろん18年後に相場が暴落していれば元本割れの可能性もある。

しかしS&P500連動ファンドを18年保有してマイナスで終わった時代は、歴史的にほぼ存在しない。あくまで過去の話だが、根拠なき楽観でもない。

親のNISAと家族全体の非課税枠を最大化する戦略

我が家(私と夫、そして怪獣2匹)を例に、家族全体の非課税枠を整理する。

口座 生涯枠 備考
私のNISA 1,800万円 運用中(独身の遺産)
夫のNISA 1,800万円 運用中(子供より少ない資産+家計のお金)
5歳の子のこどもNISA 600万円 2027年〜13年間(教育費として児童手当等)
3歳の子のこどもNISA 600万円 2027年〜15年間(教育費として児童手当等)
4人合算 4,800万円

4人合算で4,800万円の非課税空間だ。これを全部埋められる家庭は札束の風呂に入れる一部の富裕層だけだろうが、制度として使える枠の上限として把握しておく価値はある。

優先順位の考え方

親のNISAを先に埋めることを強く推奨する。

理由は残酷なほどシンプルで、老後資金には奨学金という代替手段がないからだ。

教育資金には、親としては使いたくないが、奨学金というカードが存在する。

自身の老後を確保して余力ができた分でこどもNISAに資金を振り向けるのが、最も合理的な順序だ。

飛行機で酸素マスクが下りてきたら、まず大人がつけるのと同じ理屈だ。

旧ジュニアNISAを保有している家庭は、その資産は別枠で非課税のまま保有継続できる

こどもNISAとの干渉はない。

両方同時に保有しながら、こどもNISAで新規積み立てを追加する形が2027年以降の理想的な構造になる。

こどもNISAの落とし穴と注意点

バラ色の夢ばかり語るポンコツ営業マンみたいな真似はしたくない。冷静に罠も並べておく。

① 資産の所有者は子ども本人

口座内の資産は法律上、子ども名義だ。

親がやっぱり老後資金に流用したいと思っても、それはただの横領だ。

子どものために積み立てた金は子どものために使う、という当たり前の原則を守れる家庭だけが使うべき制度だ。

② 贈与税に注意(祖父母からの資金援助)

可愛い孫のためにと祖父母が資金を出す場合、年間110万円の贈与税非課税枠を超えると課税対象になりうる。

資金の出所と贈与の記録管理は、確定申告で地獄を見ないために丁寧に行う必要がある。

③ NISA損失は損益通算できない

こどもNISAで損失が出ても、課税口座の利益と相殺することはできない。

これはNISA全般に共通の欠点だ。

暴落時にビビって売却さえしなければ通常は問題にならないが、知らずにパニックになる人は多い。

気絶するスキルが試される。

④ 制度の詳細はまだ確定していない

2025年12月の税制改正大綱で方向性は示されたが、口座開設手続き、具体的な払い出し要件、対象商品の最終リストは2026年中に政令・省令で確定予定だ。

今すぐ証券会社に駆け込んでも門前払いされるだけだ。

焦らず続報を待ちながら、知識だけ先に積み上げておくのが正解だ。

よくありそうな質問(FAQ)

Q. こどもNISAはいつから始められますか?

2027年1月1日からの開始が予定されている。

口座開設の受付開始時期は、2026年中に各証券会社から順次発表される見通しだ。

制度開始直後は申込集中が予想されるため、各社の案内を早めに確認しておくとよいだろう。

Q. こどもNISAでVOOやeMAXIS Slim S&P500は買えますか?

VOOのような海外ETFは対象外だ。

eMAXIS Slim S&P500はつみたて投資枠の対象商品であるため、こどもNISAでも購入できる見込みだ。

低コストのS&P500連動インデックスファンドが現実的な主力候補になる。

Q. 旧ジュニアNISAとこどもNISAは同時に保有できますか?

可能だ。旧ジュニアNISAの資産は非課税で保有継続しながら、こどもNISAで新たな積み立てを始めることができる。

旧制度の資産がこどもNISAの枠を侵食することはない。

Q. こどもNISAは親のNISA枠を削りますか?

削らない。子ども名義の別口座として開設するため、親のNISA生涯枠1,800万円とは独立している。

ただしこどもNISAで使った投資額(最大600万円)は、子どもが18歳以降に使える通常NISAの生涯枠1,800万円から差し引かれる。

Q. 親がNISAをやっていなくてもこどもNISAは使えますか?

使える。親自身のNISA口座の有無は関係ない。

ただし子どもの口座開設には親権者による手続きが必要だ。

Q. 12歳以降の払い出しはどうやって申請しますか?

資金の使途が子のためであること、子本人が払い出しに同意していることを示す書面とともに、親権者が金融機関に申出書を提出する形になる見込みだ。

具体的な手続き方法は2026年中に各金融機関から発表予定となっている。

まとめ:2027年を待たずに今できることがある

こどもNISAの要点を整理する。

  • 2027年1月から、0〜17歳を対象に年間60万円・生涯600万円・非課税無期限で積み立て可能
  • 旧ジュニアNISAの最大欠点だった18歳まで引き出せない制限が、12歳以降の条件付き払い出しで緩和
  • 18歳到達後は通常NISAへ自動移行、複利が途切れない
  • 対象商品はつみたて投資枠と同じ投資信託のみ。個別株・ETFは不可
  • 2027年から読売333・JPXプライム150・債券型ファンドもつみたて枠に追加予定
  • 制度の細部は2026年中に政令・省令で確定予定

今できることは、子どもの未成年口座の開設準備と、投資商品の予備知識を積み上げておくことだ。

旧ジュニアNISAの2口座を持つ身として言わせてもらうと、子どもの資産形成は始めた時期が早いほど有利という残酷なまでに単純な事実で動いている。

我が家の2口座の差が、その証明だ。

制度開始時にどの商品を選ぶかで路頭に迷わないよう、今のうちに選択肢を絞っておく価値はある。

 

※本記事は2025年12月閣議決定の令和8年度税制改正大綱をもとに作成している。制度の詳細は2026年中に政令・省令で確定予定であり、内容が変更される可能性がある。最新情報は金融庁公式サイトおよび各金融機関の案内を確認してほしい。投資は自己責任で


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