期待値で鯨になる

米国株・ETF・投資信託で資産を育てる合理主義投資ブログ。低コストという名の餌で巨大な鯨へ育てる観測日記。

オルカンとS&P500はどっちが正解?米国株最強伝説と全世界株式の合理性を比較

投資の世界には、まるで不可侵の宗教のように信じられている米国株最強伝説がある。もちろん、私もその熱烈な信者の一人だ。資産の大半をS&P 500という資本主義の結晶に叩き込み、米国の株主至上主義こそが正義だと信じて疑わなかった。

だが、最近ふと思うのだ。なぜオルカン(全世界株式)はあんなにも人気なのか。

最強の矛(S&P 500)を持っているはずの私が、なぜ隣の客が持っている最強の盾(オルカン)を「意外とかっこいいな」と眺めてしまうのか。その身も蓋もない理由を整理してみようと思う。

 

1. オルカンが人気な理由|未来を予測しない分散投資

オルカンが人気の理由はずばり未来を予測することを諦めているからだ。

私の今の視点はこうだ。米国の株主至上主義は最強で、中国など新興国への投資はリスクの塊である。そんな得体の知れない国の株を持てるかと。極めて合理的だ。
だが、オルカンの視点はもっと残酷だ。20年後、米国が格差で内乱を起こして社会主義化しているかもしれないし、インドが資本主義の新たな盟主になっているかもしれない。何が起きるか分からないから、とりあえず全部持っておく。という開き直りである。

これは防衛本能に近い。15年後、もし米国がボロボロになっていたら、私は一人で株主至上主義はどうした!子供の学費は!と叫ぶ惨めな人間になる。

一方、オルカン勢は今はインドが4割なんで順調ですよ~と涼しい顔をするだろう。
この15年後の惨めな自分を想像してゾッとするからこそ、オルカンは光り輝いて見える。私のような傲慢な人間が、自分の無知を認めて保険をかけたくなる瞬間だ。

2. オルカンの強み|自動リバランスと全世界分散

オルカンの正体は、時価総額に合わせて中身を勝手に変えてくれる全自動・勝ち馬乗り換え機だ。

2026年現在は、米国が6割を占めている。

だが、現在米国株は間違いなく歴史的水準から見て割高感が強まっている。

今後、もし米国が衰退し始めれば、オルカンは文句も言わず、涙も流さず、米国の比率を下げて、その時勢いのある国の比率を上げていく。
私は資産の大半をS&P 500に投資しているが、もし米国がダメになったら自分で判断して売らなければならない。そしてそれがNISA枠だと大問題だ。ほかの地域に鞍替えした瞬間にNISA枠を消費してしまうのだ。

自動リバランスという機能は、実は喉から手が出るほど欲しい贅沢なのかもしれない。

3. S&P500一本投資のリスクと集中投資の弱点

中国が怪しいのは事実だ。政府の命令一発で株券が紙屑になる恐怖は、想像するだけで胃が痛む。
だが、世界は広い。私が米国最強!と叫んでいる間にも、欧州は環境規制で世界を縛り、インドは圧倒的な若者がコードを書き、日本はひっそりと30年の眠りを終えて現金を溜め込んでいる。

これら全てを政府が怖いからという理由だけでゴミ箱に捨てている自分の選民思想。
私は世界の4割の可能性をドブに捨てているのではないか?
そう自問自答した時、オルカンのとりあえず全部入れておくという、プライドを捨てた雑食性の強さが、急に神々しく見えてくる。

4.オルカンとS&P500はどっちが後悔しにくいか

結局のところ、オルカンが勧められる理由は、それが最も正しいからではなく、最も後悔しにくいからだ。

ほぼ米国の私が、もし15年後に資産を減らしたら、私は自分の判断を一生悔やむだろう。だが、オルカンを買って資産が減ったなら、世界経済が沈んだのだから仕方ないと言い訳ができる。
米国株主至上主義というルールに全幅の信頼を置くのは、絶対に沈まないと公認された豪華客船の特等席に座っているような安心感がある。

だが、居心地があまりに良すぎて、船底に亀裂が入っていることや、時代の潮流が変わっていることに気づけなければ、いつか座礁という名の報いを受けることになる。

「私は米国を信じている。だが、もし神(アメリカ)が死んだら路頭に迷う。だから、少し無神論者のフリをしておこっかな……テヘペロ」

そう思うのは、私が情熱という名の暴走を止めようとしている証拠だ。結局、オルカンは自分の判断力を信じていない人にとっては最高の救いであり、少しだけ物足りないが安心できるものなのだ。

もっとも、明日になればまたやっぱりアメリカ最高だわと客船のチケットを握りしめている気がするが。予測とは、外れるまでが一番楽しい娯楽なのだから。

5.オルカンとS&P500の違い【簡潔まとめ】

  • S&P500:米国大型株に集中投資

  • オルカン:全世界に時価総額比で分散

  • リバランス:オルカンは自動、S&P500は自己判断

  • 後悔リスク:オルカンは低め、集中投資は高め

 

にほんブログ村 株ブログへ
にほんブログ村

株式ランキング
株式ランキング