SBI・iシェアーズ・ゴールドファンド(為替ヘッジなし)、愛称「サクっと純金(為替ヘッジなし)」について語ろう。
結論から言えば、私はこれを取得単価26,871円で買い、現在の基準価額は無慈悲にも23,510円を指している。
世間が「金が1年で48.65%も爆上がりしたぞ!」と祝杯を挙げている中、なぜか私の口座には見事な含み損が鎮座しているのだ。
この宇宙のバグとしか思えない理不尽な現象について、血の涙を拭いながら極めて冷静に、順を追って説明していく。
- サクっと純金(為替ヘッジなし)とは?基本スペック
- 投資の仕組みと組み入れ資産
- パフォーマンスは1年で+48.65%、しかし中身は単純に喜べない
- 425A・1540との違いを比較
- 「サクっと純金はやめとけ」と言われる理由
- それでも私が「別にやめなくていい」と思う理由

サクっと純金(為替ヘッジなし)とは?基本スペック
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 連動指数 | 明確なベンチマークなし(LBMA金価格指数の円換算値を参照) |
| 運用会社 | SBIアセットマネジメント |
| 設定日 | 2023年6月8日 |
| 純資産総額 | 約3,120億円(2026年5月末時点。直近では約3,153億円まで増加) |
| 信託報酬(購入時手数料・留保額) | 実質年率0.1838%程度/購入時手数料・信託財産留保額ともになし |
| NISA成長投資枠・つみたて投資枠 | 成長投資枠のみ対象(つみたて投資枠は対象外) |
正式名称が呪文のように長くて舌を噛むので、ここからは愛称の「サクっと純金」と呼ぶ。
私の資産がサクっと目減りした事実は、どうか内緒にしておいてほしい。
ちなみに為替ヘッジありの兄弟ファンドも存在するが、今回はノーガード戦法であるヘッジなしの話だ。
投資の仕組みと組み入れ資産
個別株の詰め合わせではなく、金そのものに投資するファンドだ。
仕組みは極めてシンプルで、「SBI・iシェアーズ・ゴールド・マザーファンド」を通じ、我らがブラックロック先生が運用する「iシェアーズ・フィジカル・ゴールドETC」を実質的な主要投資対象としている。
中身はロンドン地金市場基準の金地金そのもので、これが最終的にはロンドンの堅牢な地下金庫に眠っているというわけだ。
私のなけなしの資産の一部がロンドンの金庫にあると想像するだけで、ほんの1ミリほど優雅な英国紳士になった気がするが、現地へ視察に行く旅費は当然ない。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実質的な主要投資対象 | iシェアーズ・フィジカル・ゴールドETC(ブラックロック運用) |
| 裏付け資産 | LBMA基準の金地金(現物) |
| 運用方式 | ファミリーファンド方式 |
| 為替ヘッジ | なし(実質組入外貨建資産は無ヘッジ) |
| 決算 | 年1回(6月決算)、分配金実績は設定来ずっと0円 |
パフォーマンスは1年で+48.65%、しかし中身は単純に喜べない

| 1年 | |
|---|---|
| トータルリターン | 48.65% |
| 標準偏差 | 26.32 |
| シャープレシオ | 1.83 |
ちなみに基準価額ベースの騰落率で見ると、また少し違う数字が出てくる。
| 期間 | 1週間 | 1ヵ月 | 3ヵ月 | 6ヵ月 | 1年 | 3年 | 設定来 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 騰落率 | -1.87% | -10.14% | -10.52% | -3.6% | +37.94% | +132.36% | +135.1% |
トータルリターン48.65%と1年騰落率37.94%で数字が食い違っているのは、別に運用会社が不正をしているわけでも計算ミスでもない。
算出の基準日がズレているだけの話で、金融データにはよくあることだ。
数字を引用するときは「いつ時点の、どの計算方法か」を確認する癖をつけたほうがいい。派手な方の数字だけ拾って一喜一憂していると、私のように足元をすくわれる。
設定来のレンジも改めて確認しておこう。設定来高値は29,876円(2026年3月3日)、設定来安値は9,862円(2023年10月6日)。
つまり2023年6月の設定から3年ほどで基準価額は3倍近くまで駆け上がったことになる。3年騰落率+132.36%という凄まじい数字は、この急騰をそのまま反映したものだ。
ただし直近の値動きを見ると、1ヵ月-10.14%、3ヵ月-10.52%と、見事なまでに下げ基調にある。
3年というスパンで見れば偉大な右肩上がりだが、直近だけ切り取ると普通に急降下しているファンド、というのが今のサクっと純金のリアルな実態だ。
標準偏差26.32という数字が示す通り、金=安全資産という神話とは裏腹に、この値動きの荒さは中小型株の暴れ馬と大差ない。
シャープレシオ1.83も、ファンドマネージャーの神がかった腕前ではなく、単に金相場全体に猛烈な追い風が吹いていたというだけの話だ。ファンドの実力とマーケットのデレ期を混同してはいけない。
425A・1540との違いを比較
金に投資する手段として、東証には他にも2つの有力な選択肢が存在する。グローバルX ゴールドETF(425A)と、純金上場信託・現物国内保管型(1540)だ。
| ファンド | 種類 | 実質コスト | 為替ヘッジ | 最低投資目安 | 純資産総額 | NISA成長投資枠 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| サクっと純金(為替ヘッジなし) | 投資信託 | 0.1838%程度 | なし | 100円から | 約3,120億円 | 対象 |
| グローバルX ゴールドETF(425A) | ETF | 0.1775% | なし | 1口433円前後×10口単位 | 約229億円 | 対象 |
| 純金上場信託(1540) | ETF(現物国内保管型) | 0.44% | 実質なし(円建て現物) | 1口19,000円台 | 約1兆9,256億円 | 対象 |
コスト最安を親の仇のように狙うなら425Aだが、純資産229億円というのはこの3本の中ではいささか小粒だ。値がつきにくい局面が出てくるリスクは覚悟しておいたほうがいい。
一方、1540は信託報酬こそ割高だが、一定口数を集めれば本物の金塊と交換できるというロマン枠の強みがある。
単なる画面上の数字としてではなく、物理的な黄金の輝きを拝みたい人向けの選択肢だ(ルパン三世に狙われるリスクについては自己責任でお願いしたい)。
「サクっと純金はやめとけ」と言われる理由
冒頭で述べた通り、私はこのファンドを取得単価26,871円で買い、現在の基準価額は23,510円。目を疑うような見事な含み損である。
設定来高値の29,876円とまでは言わないが、それに近い高値圏でバッチリ掴んでしまったのは間違いない。1年トータルリターン48.65%という世間のお祭り騒ぎを横目に、私の評価損益だけが静かにマイナス圏を彷徨い続けている。
ゴールドという資産クラスの選択が正解でも、自分のエントリータイミングが絶望的に愚かなら当然損をする。教科書通りの当たり前すぎる事実だが、実際に自分の身銭を切って体験すると、胃に効いてくる。
ネット上でサクっと純金はやめとけという声があるとすれば、その理由の大半は多分これだ。私のようにド高値で掴んだ人間の、行き場のない怨念である。
それでも私が「別にやめなくていい」と思う理由
金は持っていれば安心という漠然としたお守りのようなイメージで語られがちだが、実際の値動きはそこそこ荒い。為替ヘッジなしを選べば、円相場の影響もノーガードで殴りかかってくる。
ポートフォリオの一部にスパイスとして組み込む分には合理的だが、これ単体に全財産を賭けるような真似は決してお勧めしない。現在進行形で含み損を抱えている人間の、血の通ったリアルな実感だ。
それでも私がこれを売らずに持ち続けているのは、株式と逆相関気味に動いてくれるという淡い期待と、あとは単純に今売ったら負けを確定させるのが嫌だという極めて人間臭い意地が混ざっているからだ。
どれほど合理的であろうと努めても、投資判断というのは結局、こういう不純物がたっぷり混じった状態で下されるものなのだ。
だから「サクっと純金はやめとけ」という声には半分うなずきつつ、残り半分では別にやめなくていいだろうとも思っている。含み損を抱えたまま握力だけで持ちこたえている人間の、ちょっと情けない結論だ。
口座をまだ持っていない場合は以下から開設できる。もちろん強制はしない。
まとめ:サクっと純金(為替ヘッジなし)
- SBIアセットマネジメント運用、LBMA金価格指数の円換算値を参照する投資信託。実質的にはブラックロック運用の「iシェアーズ・フィジカル・ゴールドETC」を通じて金地金そのものに投資する仕組み。
- 実質信託報酬は0.1838%程度、購入時手数料・信託財産留保額はなし。純資産総額は約3,120億円(2026年5月末時点)。NISAは成長投資枠のみ対象。
- 設定来(2023年6月〜)の騰落率は+135.1%、1年トータルリターンは+48.65%と華やかだが、直近1ヵ月は-10.14%、3ヵ月は-10.52%と足元は下げ基調。標準偏差26.32と値動きは荒め。
- コスト最安を狙うなら425A(実質コスト0.1775%)、現物交換のロマンを追うなら1540(信託報酬0.44%)が比較対象。100円から積立できる手軽さで選ぶならサクっと純金が最も素直な選択肢。