2026年4月21日、SBIアセットマネジメントがまたしてもコストの破壊者としての顔を見せてきた。
新ファンドの名はSBI NASDAQ100インデックス・ファンド(愛称:SBI NASDAQ100)。設定日は2026年5月21日の予定だ。そして最大の特徴は、信託報酬 年0.1958%(税込)。NASDAQ100連動の国内公募ファンドとして、現時点では文句なしの最安水準だ。
もはや小数点以下の数字が細かすぎて、私の老眼では見落としてしまいそうなレベルである。
では結局、このファンドは買うべきなのか? スペック・コスト比較・デメリット・向き不向きまで、冷静に整理していく。
- SBI証券ユーザーでNASDAQ100に投資したいなら、現状最有力の選択肢だ
- ただしNASDAQ100はS&P500とは別物。万人向けではない
- 他社ユーザーが口座ごと移すほどのコスト差かは、冷静に計算すべきだ
- SBI NASDAQ100インデックス・ファンドの基本スペック
- NASDAQ100とは?S&P500との決定的な違い
- コスト比較|2026年時点でSBI NASDAQ100は本当に最安なのか
- SBI NASDAQ100のデメリット・注意点
- SBI証券ユーザーに向いている人・向いていない人
- 私の結論──結局、どうするのか
- まとめ

SBI NASDAQ100インデックス・ファンドの基本スペック
| ファンド名 | SBI NASDAQ100インデックス・ファンド |
|---|---|
| 信託報酬(年率・税込) | 0.1958% |
| 投資対象 | NASDAQ100(配当込み・円換算) |
| NISA対応 | 成長投資枠(予定) |
| 販売 | SBI証券のみ |
| 設定・運用開始日 | 2026年5月21日(木)(予定) |
NASDAQ100とは?S&P500との決定的な違い
NASDAQ100は、米国のNASDAQ市場に上場する非金融・大型グロース株100社で構成される指数だ。Apple、Microsoft、そして最近話題を独占しているAI・半導体関連の企業がぎっしり詰まっている。
一言で言えばテクノロジーの結晶であり、平たく言えばボラティリティという名のジェットコースターだ。
S&P500よりも銘柄が絞られている分、上がる時は凄まじいが、下がる時の精神的ダメージもまた格別である。数字で確認しておこう。
- 2022年の下落率:NASDAQ100は約▲33%、S&P500は約▲19%
- 2000年ITバブル崩壊時:NASDAQ100は最大▲83%という壊滅的な水準を記録した
S&P500の下落が骨折なら、NASDAQ100の下落は粉砕骨折と思っておいて差し支えない。
| NASDAQ100 | S&P500 | |
|---|---|---|
| 銘柄数 | 100 | 500 |
| 特徴 | ハイテク偏重 | 分散型 |
| 値動き | 大きい | 比較的安定 |
| 最大ドローダウン(過去最大) | 約▲83%(ITバブル) | 約▲57%(リーマン) |
雑に言えば、NASDAQ100=攻め、S&P500=守り。どちらが優れているかではなく、性格が根本的に違う。
コスト比較|2026年時点でSBI NASDAQ100は本当に最安なのか
現時点での主なNASDAQ100連動ファンドのコストを整理してみた。数字を並べると、SBIの絶対に一番になるという執念が滲み出てくる。
| ファンド名 | 信託報酬(税込・年率) | 主な販路 |
|---|---|---|
| SBI NASDAQ100インデックス・ファンド | 0.1958% | SBI証券のみ |
| 楽天・プラス・NASDAQ-100 | 0.198% | 楽天証券のみ |
| ニッセイNASDAQ100インデックス | 0.2035% | 主要ネット証券 |
| iFreeNEXT NASDAQ100 | 0.495% | 主要ネット証券 |
低コスト実現の背景には、ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズへの運用委託と直接投資による効率化があるようだ。
世界最大級のプロに任せて安く済ませる。
合理的すぎて、重箱の隅をつつくのが趣味の私でも反論の余地がない。
ただし、楽天証券ユーザーが0.0022%の差を求めて口座を移すべきかといえば、答えは微妙だ。
100万円預けて年間22円の差である。
コンビニのレジ横にある募金箱に一度入れれば消し飛ぶ程度の違いを、大事件のように語るのが我々インデックス投資家の悲しい性だ。
SBI NASDAQ100のデメリット・注意点
ここは重要なので、あえて強めに書く。
① ハイテク偏重リスク
NASDAQ100は極端にテック企業に偏っている。上位10銘柄で指数の6割超を占める構造だ。ハイテクセクターが崩れると、一緒に沈む。セクター分散の概念が事実上ない。
② ドローダウンが深い(メンタル削り性能が高い)
先述のとおり、ITバブル崩壊では▲83%という水準を記録している。100万円が17万円になる計算だ。下落局面で握り続けられるかは、コスト比較とは別次元の問題だ。
③ 為替リスク
円安で基準価額が上がり、円高で下がる。株だけでなく通貨にも影響されるため、変動要因が二重になる。
④ SBI証券限定
地味だが人によっては最大の障壁かもしれない。他社に資産が散らばるのを嫌う人には、素直に向いていない。
⑤ つみたて投資枠への対応が未確定
現時点では成長投資枠での活用が前提だ。つみたて投資枠に対応するかどうかは、今後の動向次第である。
SBI証券ユーザーに向いている人・向いていない人
向いている人
- SBI証券をメインで使っている
- 成長株・ハイテクセクターに賭けたい
- 値動きの大きさに耐えられる
- S&P500のサテライトとして追加したい
- コスト最安にこだわりがある
向いていない人
- 安定重視(S&P500・オルカン派)
- 下落局面で狼狽売りしやすい
- セクター分散を重視する
- 楽天・マネックスなど他社メインユーザー
私の結論──結局、どうするのか
投資家として、コスト競争が加速するのは純粋に歓迎すべきことだ。かつて0.4%台で安いと喜んでいたのが嘘のようである。
運用の世界は、努力よりもどの船に乗るかで決まる残酷な世界だが、その乗船券が安くなるのはありがたい。
だが、私はメインを乗り換えない。
S&P500という退屈だが安心な実家を出て、NASDAQ100という都心のタワマンに引っ越す勇気はまだない。ドローダウン▲83%の前例を知った上で、それでも握り続けられるかといえば、正直自信がない。
ただし、一点だけ追加する選択肢として検討する価値はあると思っている。
ポートフォリオ全体の5〜10%程度をサテライト枠としてNASDAQ100に振り向ける形であれば、コアのS&P500を揺るがすことなく、ハイテクの上振れも取れる。ゼロか全力かではなく、量で調整するのが現実的な落としどころだろう。
コスト最安という称号に弱く、かつSBI証券をメインで使っている人にとっては、これ以上ない選択肢になるはずだ。
まとめ
- SBI NASDAQ100インデックス・ファンドは2026年5月21日に設定予定だ。
- 信託報酬0.1958%は国内NASDAQ100連動ファンドとして現時点最安。ただしSBI証券専用。
- 他社ユーザーが血眼になって口座を移すほどの差か、100万円×0.0022%=年22円という数字を見て冷静に判断してほしい。
- NASDAQ100はS&P500より攻撃的な指数。ITバブル崩壊時の▲83%という最大ドローダウンは、頭に入れておくべき数字だ。
- 運用開始直後は資金の大量流入により、トラッキングエラーが一時的に出やすい傾向がある。設定後数ヶ月〜半年程度は運用が安定するのを待ってから本格的に判断するのも一手。
- コアをS&P500に置きつつ、サテライト5〜10%程度での活用が現実的な選択肢のひとつになりうる。
- 成長投資枠対応予定。
結局のところ、投資はどれが最強かではなく、自分が握り続けられるかで決まる。
コストが下がろうが指数が上がろうが、私たちの生活が劇的に変わるわけではない。
だが、こうした微細な得を積み重ねることでしか得られない心の平穏というものも、確かにあるのである。
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