期待値で鯨になる

米国株・ETF・投資信託で資産を育てる合理主義投資ブログ。低コストという名の餌で巨大な鯨へ育てる観測日記。

スペースX IPO(SPCX)落選した|SBI証券の申込手順・公開価格135ドル・抽選結果まとめ【2026年6月】

スペースX(ティッカー:SPCX)のIPOが、2026年6月5日よりSBI証券で申し込み開始となった。

SBI証券にとって米国株式IPOの募集取扱いは今回が初めてらしい。そんな歴史的かつ実験的な案件に、なぜか私が申し込んでいる。かつてリーマンショックの荒波に揉まれて資産を綺麗に溶かした過去を持つ私だが、喉元を過ぎればなんとやら、今回ばかりは完全に記念受験のノリで参加ボタンを押すことにした。どうせ当たらないという確信が、私の背中を優しく押してくれる。

まずはこの壮大な祭りの概要と、相変わらず一筋縄ではいかない申し込み手順をまとめておく。

スペースX(SPCX)IPOの基本情報|公開価格・申込期間・上場日

公募価格は1株135ドル。通常のIPOのように「仮条件を出して投資家の出方を見る」という謙虚なプロセスは一切ない。最初から価格を固定してロードショーを突きつけるという、イーロン・マスクらしい異例の強気スタイルだ。

項目 内容
ティッカー SPCX(ナスダック)
公開価格 1株135ドル
申込期間 2026年6月5日(金)〜6月11日(木)10:59(日本時間)
抽選日 2026年6月11日(木)
上場予定日 2026年6月12日(金)(米国時間)
決済方法 外貨決済(米ドル)のみ
手数料 無料
NISA 成長投資枠 対応

スペースX IPO(SPCX)の概要インフォグラフィック。公開価格1株135ドル・調達額750億ドル・ティッカーSPCXを大見出しで表示。手数料無料・NISA成長投資枠対応・米ドル決済のみ・住信SBI連携で当選確率UPの4項目をアイコン付きで紹介。SBI証券のIPO申込画面を模したスマートフォン画像と、SpaceXロケット2機の打ち上げイラストを配置。

調達額は750億ドル(約12兆円)である。これまで世界最大だったサウジアラムコの約294億ドルをあっさりと抜き去り、人類史上最大の資金調達となるそうだ。さらっと史上最大と書いたが、この国家予算レベルのマネーゲームに、日本の片隅から1株単位で申し込めるのだから、個人投資家として私たちはわりとおかしな時代を生きていると言わざるを得ない。

スペースXとはどんな会社か?事業内容をわかりやすく解説

イーロン・マスクが2002年に設立した宇宙開発企業、という認識が一般的だろう。しかし、現在のスペースXを単なるロケットを打ち上げる会社だと思って申し込むと、実態を見誤る。

今の彼らの稼ぎ頭は、売上の約69%を占める衛星インターネット事業「スターリンク(Starlink)」だ。2026年3月時点で、地球の軌道上には約9,600機もの衛星がひしめき合っており、164の国と地域をカバー、有料加入者数は1,030万人を突破している。さらに2026年初めには生成AI企業「xAI」を取得し、AIモデル「Grok」の計算インフラを宇宙空間へ拡張する構想までぶち上げている。

目論見書(S-1)上の事業区分は以下の3つに整理されている。

  • スペース:再利用型ロケットによる打ち上げサービス
  • コネクティビティ:スターリンク衛星インターネット(実質的な主軸)
  • AI:Grok・AIデータセンター(xAI統合による新設)
実態は宇宙インフラ+衛星通信キャリア+AIの複合企業だ。ロケットはむしろ、最も目立つ巨大な広告塔に近い。

SPCX株のバリュエーションは割高か?投資判断の考え方

なお、2026年5月にNASDAQ100の組み入れルールが変更され、上場から最短15営業日での採用が可能になった。SPCXがその第一号候補になるかどうかは、上場後の時価総額と流動性次第だ。新ルールの中身はこちらにまとめている。

時価総額は約1兆7,700億ドル(約283兆円)に達する。これはAppleやNVIDIAといった、地球上のテックジャイアントたちに匹敵する水準だ。283兆円という数字をどう受け止めるかはご自由にどうぞ、だが、個人的にはもう少し笑える金額にしてほしかった。

これが割高か、それとも未来への投資として妥当かについては、プロのアナリストたちの間でも意見が綺麗に割れている。モーニングスターのアナリストはAI事業への期待感を確率加重で約1,700億ドル程度にとどまると見積もり、同社の価値の大半はあくまでスターリンク事業に依存していると冷ややかに分析する。「著しく過大評価されており、上場後に市場が冷静になればもっと魅力的な価格で買い直す機会が来るだろう」とバッサリ切り捨てている。

IPO価格が公正かどうかは、上場後に市場が血の気の引いた頭で決めることになる。「史上最大」という言葉の熱量に浮かされるのと、企業の適正価値を評価することは全くの別物だ。

上場後に冷静な価格で拾い直す選択肢を考えているなら、手数料体系を先に整理しておく価値はある。米国個別株を動かすなら、SBI証券とmoomoo証券の手数料差は無視できない水準だ。

SBI証券でのIPO申込手順|外国株式口座の開設から申込まで

たとえSBI証券の一般口座を持っていても、それだけでは参加できない。外国株式取引口座の別途開設が必要だ。かつて米国株に手を出して大火傷をし、口座を停止または廃止した記憶のある人は、まず再開設という過去の清算から始める必要がある。

手順自体は以下のようにシンプルだ。

  1. SBI証券にログインする
  2. 「外国株式」→「IPO」からSPCXを選択する
  3. 希望株数と口座区分(特定口座・一般口座・NISA成長投資枠)を選んで申し込む
  4. 6月11日(木)午後3時までに、購入に必要な金額を米ドルの買付余力に反映させる
  5. 抽選結果は6月11日20時以降に通知される
今回はオプトアウト方式が採用されている。当選または補欠当選となった場合、6月12日(金)12:59までに辞退手続きを完了しなかった場合、自動的に購入が確定する。「当選を確認してから考えよう」という国内IPO感覚でいると、気づいたら買っていた、ということになる。また、約定処理(6月12日13:00以降)の時点で口座内の米ドルが不足していると、不足分は自動失効する。申し込んだ株数ぶんのドルはきちんとキープしておくこと。
必要資金の目安として、公開価格1株135ドルを1ドル=160円で換算すると約21,600円だ。為替の変動を考慮して、25,000〜30,000円分のドルを用意しておくと精神衛生上よろしい。決済は米ドルのみのため、円のまま申し込むという甘えは許されない。

当選確率を上げる方法|SBIハイパー預金とは何か

SBI新生銀行のSBIハイパー預金の残高が10万円以上あると、今回のIPOの当選確率がアップする仕組みになっている。通常抽選で外れた人の中から、ハイパー預金残高をクリアした人に対して追加抽選が行われる、という二段構えだ。

次回以降に備えて手順だけ整理しておくと、住信SBIのハイブリッド預金を休止→SBIハイパー預金を申し込む→残高10万円以上を確保、という流れになる。IPO申込期間が始まる前に余裕を持って動く必要がある。

楽天証券・みずほ証券からSPCX IPOに申し込む場合の注意点

今回のSPCX、楽天証券やみずほ証券からも参加できる。分母を増やしたいなら有効な手だが、私は今回SBI証券のみでの参戦だ。

理由は単純で、楽天の口座を凍結させたからである。乗っ取り被害がニュースになっていたころ、ほとんど使っていない口座をそのまま放置するのも怖くなり、事実上の塩漬け状態にしていたら凍結が完了した。解除しようと思えばできるが、手続きがそれなりに面倒なので、今回はパスすることにした。

もしアンソロピックがIPOをやるなら話は別で、喜んで解除しに行くが、さすがにそれはしばらくないと思われる。

楽天証券の申込期間は6月5日〜6月12日午前6時まで。抽選結果は6月12日午前9時半ごろに判明する。SBIで落選した後に「もう一回だけ」と思える口座をお持ちの方は、活用する価値はある。

ちなみに今回のSpaceXを調べていたら、勢い余ってもう1件IPOに申し込んでいた。GOというタクシー配車アプリのIPOで、経緯はこちらに書いた。アプリを入れたことすらないのに申し込んでいるあたり、私の投資判断基準はだいぶ崩壊している。

SPCX IPO抽選結果:落選【2026年6月12日追記】

「どうせ当たらないという確信が、私の背中を優しく押してくれる」と書いた冒頭の一文が、見事に現実になった。

6月11日20時以降、SBI証券のメッセージボックスに届いた通知の内容がこちらだ。

SBI証券からのスペースX(SPCX)IPO落選通知メール

史上最大のIPO、人類史上最大の資金調達、個人投資家への最大30%配分——そのどれもが私を素通りしていった。宇宙はまだ、私には遠い。

SBIハイパー預金の手続きも済ませていたが、それでも落ちるときは落ちる。抽選とはそういうものだ。

上場後の動きについては、しばらく様子見の方針だ。公開価格135ドルが割高かどうかは記事内でも書いた通りアナリストの見方が割れている。熱狂が冷めた後の値動きを確認してから、買うかどうかを判断したい。IPOで拾えなかったとしても、上場後に通常の米国株として買い直す選択肢は残っている。焦って初値を掴みに行く必要はない。

もっとも、今年はAnthropicとOpenAIという、さらに剛速球のIPOが控えている。AnthropicはすでにSECへの非公開申請を済ませており、2026年秋の上場が有力視されている。OpenAIも6月8日にS-1草案を提出済みだが、こちらは上場時期は未定と自ら言っており、早ければ2026年9月との観測もあるが保証はない。

なお、楽天口座の件でアンソロピックがIPOをやるなら喜んで解除しに行くと書いた直後に、当のAnthropicがSECへの非公開申請を済ませてきた。有言実行、昨日さっそく楽天証券の凍結解除手続きを済ませた。口から出た言葉に足元をすくわれるのは毎度のことだが、今回ばかりは結果オーライだ。

SPCX IPO申込の注意点まとめ

申し込み前に確認すること
  • 外国株式取引口座が有効になっているかどうか
  • 口座に十分な米ドルがあるか(円のままでは門前払いである)
  • 申込締切は6月11日(木)10:59(日本時間)であること
  • 当選後は自動購入(オプトアウト方式)。辞退するなら6月12日12:59までに手続きが必要だ
  • 首尾よく当選したとしても、初値が公開価格を割るリスクは当然ある
  • NISAで申し込む場合は、今年の成長投資枠の残りカスを確認しておくこと
まとめ:スペースX IPO(SPCX)SBI証券申込の要点
  • 公開価格は1株135ドル、申込期間は6月5日〜11日10:59だ。
  • 決済は米ドルのみ。外国株式取引口座の開設が事前に必要だ。
  • 手数料は無料、NISA成長投資枠(および特定口座・一般口座)に対応している。
  • 事業の主軸はロケットではなく、売上の約69%を占めるスターリンクだ。
  • 当選後はオプトアウト方式で自動購入確定。辞退は6月12日12:59までに行うこと。
  • 筆者は落選。上場後は様子見の方針で、次の本命はAnthropicとOpenAIのIPOだ。