期待値で鯨になる

米国株・ETF・投資信託で資産を育てる合理主義投資ブログ。低コストという名の餌で巨大な鯨へ育てる観測日記。

VOO vs SPYM 少額積立でどっちが得? 手数料込み10年シミュレーション比較【2026年最新】

新NISAの成長投資枠で、米国株ETFの王道であるS&P500ETFに投資したい。

だが、VOOの1株単価の高さと円安が、私たちの資産形成に思わぬブレーキをかける……。

そんな時に選択枠となってくるのがSPYM(旧SPLG)だ。だが、王道と言えばVOOだ。

S&P500 ETFを選ぶ際、VOOとSPYM(旧SPLG)のどちらにするか。

これは投資家界隈で幾度となく繰り返されてきた、きのこたけのこ論争のようなテーマだ。

どちらも同じS&P500に連動し、信託報酬も極めて低い優秀な商品であることは疑いようがない。

だが、いざ毎月自腹を切って積み立てる段になると、立ちはだかるのが1株あたりの単価という冷酷な現実である。

特に月3〜5万円の少額積立勢にとって、この単価差が生み出すキャッシュドラッグ(資金が口座であるだけのニート期間)は無視できない。

この記事では、机上の空論は一旦引き出しにしまい込み、2026年4月時点の最新データを使って実際に積み立てた場合の体感差を検証してみる。

SPYM(旧SPLG)とVOOの1株単価の違いを比較した図解。2026年4月の株価データを基に、少額積立における単価の壁と買いやすさの差を視覚化した画像。

1株9万円超のVOOか、1.2万円で手が届くSPYMか。この単価の壁が、少額積立における資金効率(キャッシュドラッグ)を左右する冷酷な境界線だ。

結論:2026年4月現在の最適解

  • 月5万円以下の少額積立: キャッシュドラッグを最小限に抑え、DCA効果を最大化できるSPYMが合理的。
  • 月10万円以上の積立: 圧倒的な流動性と資産規模の安心感を優先してVOOを選択。
  • 手間を省きたいズボラ勢: 分配金再投資が自動で1円単位で購入可能なeMAXIS Slim S&P500一択。

 

VOOの株価と最低投資金額の壁(2026年4月最新)

VOOの信託報酬は0.03%と文句のつけようがない低コストだ。しかし、1株あたり約606〜621ドル前後(1ドル150円換算で約90,450〜93,150円)という価格帯がネックになる。

  • 月3万円積立 → 2〜3ヶ月に1回しか買えない。残りの期間、資金はただ証券口座で昼寝をしている。
  • 月5万円積立 → 1.5〜2ヶ月に1回のペース。
  • 月10万円以上 → ここにきてようやく毎月買える水準。

つまり、VOOのDCA(ドルコスト平均法)を綺麗に機能させるには、毎月10万円以上を投資に回せる資金力が必要だ。

私のような一般庶民にとっては、資金の待機時間が長くなりやすく、機会損失を生みやすい。

一方、SPYM(State Street SPDR Portfolio S&P 500 ETF)1株約79〜80ドル前後(約11,550〜12,000円)。VOOの約8分の1の単価である。これなら毎月確実に数株ずつ買い増すことができ、積立投資の恩恵をしっかり享受できる。信託報酬も0.02%と、VOOを僅かに下回るおまけ付きだ。

(※2025年10月末にティッカーがSPLGからSPYMにしれっと変更されたが、中身の運用方針や信託報酬は一切変わっていない。パッケージだけ変えて新商品感を出すお菓子のようなものだ。安心してほしい)

この単価差を誤差と笑うのは簡単だが、少額で長く続ける人間にとっては、購入タイミングのズレとして後々じわじわと効いてくる。

 SPYM(旧SPLG)とVOOのスペック比較表【信託報酬・株価】

下記は、State StreetのSPYMとVanguardのVOOについて、2026年4月時点の最新データを比較した一覧表だ。

項目 SPYM(旧SPLG) VOO 実務的なポイント
信託報酬 0.02% 0.03% 差0.01%。10年で数千円レベルの差
株価(2026/4目安) 約79〜80ドル(約1万2千円) 約606〜621ドル(約9万円超) SPYMの低単価が少額積立のしやすさに直結
純資産総額(AUM) 約$123B前後 約$835B前後(圧倒的) VOOの規模はさすがの一言
流動性(平均出来高) 良好(1日1,000万株超) 非常に高い どちらも売却時に買い手がいなくて泣くことはない
分配金 四半期ごと 四半期ごと 特定口座では課税+手動再投資の手間

捕らぬ狸の皮算用:手数料込み10年シミュレーション

前提:年リターン7%(保守的)、為替150円/ドル固定、整数株のみ購入、キャッシュドラッグ考慮、特定口座税率20.315%。

主な手数料前提

  • SBI・楽天証券:NISAはどちらも買付無料。特定口座ではVOO無料、SPYMは0.495%(上限$22)
  • moomoo証券:NISA無料、特定0.132%(上限$22)
  • eMAXIS Slim S&P500(投信比較用):信託報酬約0.0814%、手数料無料・自動再投資

シミュレーション結果(税引後最終資産・概算)

商品 口座 月3万円
(元本360万)
月5万円
(元本600万)
月10万円
(元本1,200万)
順位
SPYM NISA 約518万円 約865万円 約1,731万円 1位
eMAXIS Slim NISA 約517万円 約862万円 約1,724万円 2位
VOO SBI/楽天
NISA
約512万円 約857万円 約1,720万円 3位
SPYM moomoo
特定
約486万円 約810万円 約1,621万円 4位
VOO SBI/楽天
特定
約481万円 約804万円 約1,615万円 5位

結果から見える現実

  • NISAの暴力的なまでの優位性: NISAと特定口座では最終的に100万円以上の差が開く。道端に落ちている1万円札を拾うのが面倒と無視するような真似はせず、まずはNISA枠を使い倒すべきだ。
  • 少額VOOの罠: NISA内であっても、月3〜5万円のVOO積立はキャッシュドラッグの影響が明確に出る。SPYMや投信を選んだ方が合理的だ。
  • 特定口座の立ち回り: NISA枠を使い切った猛者は、moomoo証券でのSPYM買付や、SBI/楽天でのVOO買付(手数料無料)など、自身の首を絞めない手数料体系を賢く選びたい。

【実務的な補足】どこで買うのが期待値最大か?

ここまで読めば、選ぶべきETFは自ずと見えてきたはずだ。だが、最後に一つだけ罠がある。それはどこで買うかという手数料の壁だ。

特にSPYM(旧SPLG)を特定口座で運用する場合、大手ネット証券の標準的な手数料(0.495%)を律儀に払っていては、せっかくの低信託報酬が台無しである。

▼ 米国株の手数料コストを抑えたいなら

moomoo証券

私のように、1円でも多く市場に資金を回したいと願う強欲……もとい合理的な投資家なら、ツールの選択で手を抜くのは致命的だ。悩んでいる間に発生するキャッシュドラッグを避けるためにも、環境構築は早めに済ませておくのが賢明だろう。


あなたの状況別、最適解(かもしれない提案)

  • 月3〜5万円の少額積立+NISA: 実務最強はSPYMだ。毎月きっちり買えて、DCA効果を最大化できる。
  • 月10万円以上+NISA: VOOも大いにアリ。圧倒的な流動性と規模の安心感を買いたいならこちら。
  • 分配金の再投資すら面倒なズボラ勢: eMAXIS Slim S&P500一択。1円単位で買えて自動再投資。これ以上楽なものはない。
  • 特定口座での運用: 積立額と証券会社の手数料を見比べて判断(moomooのSPYM、SBI/楽天のVOOが有力候補)。

【余談】筆者のポートフォリオという名のカオスな実例

ここまでSPYMだVOOだと偉そうに語ってきたが、ここで私の運用状況を晒しておこう。

正直、教科書的な綺麗な積立とは程遠い、欲望と理性が入り混じった構成になっている。

筆者の米国株ETF・個別株運用状況(VTI・NVDA)(2026年4月)

筆者のNISA投資信託口座運用状況(2026年4月)

現在の比率は、大まかに言って米国株ETF・個別株 24%:投資信託 76%といった具合だ。

そこにあるのはVOOでもSPYMでもなく、全米丸ごと抱きしめるスタイルのVTIだったりする。矛盾しているようだが、これが理想と現実、そして結局どれでもいいから早く市場にいろという私なりの答えだ。

利便性の投信と、配当の喜びを感じるETFのハイブリッド。これが私の理屈と感情の妥協点だ。

まとめ:悩む暇があったら市場に入れ

SPYMとVOO、スペック上の差はもはやミクロの世界だ。10年、20年という長期スパンで見れば、どちらを選んでも立派な資産を築けるだろう。

ただ、現実の口座に毎月資金を投入していくとなると、株価の単価が予想以上に効いてくる。特にこれから少額で積立を始めるなら、小回りの利くSPYMの低単価は間違いなく強力な武器になる。

どちらにするか迷って1ヶ月投資を遅らせるくらいなら、えいやで決めて今日から市場に参加した方がマシである。迷っている時間こそが最大の機会損失だ。

さあ、重い腰を上げて証券アプリを開こう。

 

※基本スペックやETFごとの設計思想を先に整理したい場合は、こちらの記事をどうぞ

VOOが高すぎて指が震える夜に—SPYM(旧SPLG)という「0.01%の意地」を徹底解剖【2026年最新】

VOO vs SPYMの比較図。1株9.57万円超のVOOに対し、1.23万円で買える最安ETFのSPYM(旧SPLG)を対比。経費率0.02%と0.03%の差、2026年4月時点の株価と純資産規模を視覚化したインフォグラフィック。

1株9.57万円を突破したVOOはもはや貴族の遊び。一方、1.23万円から買えるSPYM(旧SPLG)なら、少額積立のリズムを崩さず、かつ業界最安クラスの0.02%という0.01%の優越感を味わえる。

S&P500 ETFの経費率競争は、もはや誤差の極北に突入している。

2026年現在、主要ETFの経費率は最安0.02%、最高(といっても誤差だが)でも0.0945%。

インデックス投資家にとっては黄金時代だが、逆に言えば、ETF選びで知恵を絞っても人生が劇的に変わるほどの差はつかない、実に退屈な時代だ。

そんな凪のような市場で、王者VOOの背中を0.01%の差で突き上げ、1株77ドル台という絶妙な買いやすさを武器に台頭してきたのが、SPYM(ティッカー:SPYM)だ。

かつてSPLGという名でVOOの格安ジェネリック的なポジションにいたアイツである。

2025年11月にティッカーが変更されたが、中身は1ミリも変わっていない。運用会社もState Street Global Advisors、追跡指数もS&P500、経費率も0.02%のままだ。

名前が変わったことに気づかず「SPLGが夜逃げした!」と枕を濡らした情弱な投資家がいたとすれば、それは単に証券会社のデータ更新が遅かっただけだ。

安心して鏡を見て、自分の情けなさを笑い飛ばして寝ればいい。

だが、0.01%のコスト差以上に、今の私たちが直面しているのは1株の重みという物理的な壁だ。改めて、合理的に整理しておこう。

結論:少額で積立するならSPYM、資金に余裕があるならVOOでも問題ない。

 


SPYMの基本スペック——中身は同じ、皮だけ最新

まずはSPYMの素性を一枚の表に。

結局、名前が変わってもやることは同じS&P500の完コピだ。

項目 内容
正式名称 SPDR Portfolio S&P 500 ETF
現ティッカー SPYM
旧ティッカー SPLG(2025年11月まで)
経費率 0.02%(VOOより0.01%安い)
1株価格 約77ドル台(庶民の味方)
純資産規模 約1200億ドル規模(十分すぎるがVOOの足元にも及ばない)

上位銘柄はNVIDIA、Apple、Microsoft……。S&P500を冠する以上、中身は結局、時の巨大テック企業に支配される運命にある。

これはどのETFを選んでも同じ、逃れられない呪いだ。


主要S&P500 ETF比較——VOOが高嶺の花すぎる現実

さて、ここからが本題だ。

経費率の0.01%の差を議論する前に、まず財布を見てほしい。

ファンド名 経費率 1株価格(ドル) 1株価格(円換算) 私の独断と偏見
SPYM(旧SPLG) 0.02% 約77ドル 約1.23万円 合理的。小銭で買える最強の端数調整
VOO 0.03% 約602ドル 約9.57万円超 王道だが、もはや貴族の遊び。1株が重すぎる。
IVV 0.03% 約685ドル 約10.8万円 VOOと同じ。もはや1株10万円の世界。
SPY 0.0945% 約580ドル 約9.2万円 流動性を食う怪物。一般人には不要な贅沢。

※為替レート1ドル=159.5円(2026年4月5日時点)で計算

1株9.57万円の絶望をどうするか

VOOは今や602ドル。日本円にして9.57万円超。 毎月5万円積立ではまだ半分も届かないじゃないかと突き放される。

2ヶ月に1回しか買えない投資なんて、リズムが狂って飽きてしまうのが関の山だ。

その点、SPYMなら約1.23万円。

飲み会を3回我慢すれば1株買えるし、余った小銭を放り込むのにもちょうどいい。VOOに手が届かないという惨めさを、SPYMは合理的なコスト選択というポジティブな言葉で包み隠してくれるのだ。


SPYMの光と影(メリット・デメリット)

このETFと心中するかどうか、冷静に判断するための比較表だ。

SPYMのメリット SPYMのデメリット・注意点
経費率0.02%。VOOに勝っているという、ちっぽけだが確かな優越感。 純資産がVOOの7分の1。王者の風格には遠く及ばない。
1株1.23万円という圧倒的親しみやすさ。積立設定が死なない。 ティッカー変更で混乱。古いサイトではまだSPLG表記されているマヌケっぷり。
20年以上の実績。指数追跡も完璧で、文句の付けようがない。 一部の証券会社で検索しにくさや表示遅れがある。

共通のリスク——結局は同じ船に乗っている

SPYMだろうがVOOだろうが、沈むときは一緒だ。S&P500という看板の裏側に潜むリスクも、表にまとめておいた。

リスク項目 具体的な内容・実態
テック依存症 GAFAM+NVIDIAが風邪を引けば、指数全体が肺炎を起こす。
Mag7集中砲火 上位7銘柄で30%超。分散投資と言いつつ、実態は「巨大企業への宝くじ」。
円安の暴力

159.5円で買って円高になったら……その先は、怖くて書けない。


まとめ——0.01%の差に命を懸けるのは、最高の娯楽だ

SPYMは安くて、小回りがきいて、文句ひとつ言わず働くいぶし銀のようなETFだ。 0.01%の差を血眼になって比較検討し、週末を潰してブログを書き、あーだこーだ理屈をこねる。

この行為自体、合理的ではないかもしれない。

でも、その微細な数字にこだわる執念こそが、インデックス投資という退屈な道を進むためのガソリンになるのだ。

私自身のコア資産もVOOだが、それは単に先に付き合い始めたからという腐れ縁にすぎない。

今からゼロで選ぶなら、1株9.57万円の壁を前にして呆然とするより、1.23万円のSPYMを機械的にポチり続ける方を選ぶだろう。

投資で一番やってはいけないのは、ETF選びに悩みすぎて入金が遅れること。あるいは高すぎて買えないと放置することだ。 VOOでもSPYMでもいい。

自分が納得して、暴落した夜でもまあ、こいつなら安いしなと笑って連れ添える相手を選べば、それがあなたにとっての正解だ。

私がもし次回購入するとなれば、間違いなくSPYMだ。

 

-関連記事

S&P500 投資 初心者必見|メリット・デメリット・今から始める方法【2026年最新】

S&P500と大きく書かれたゴールドの文字と、右肩上がりの株価チャート、そしてその下にぽっかりと空いた巨大な谷を描いたイラスト。 チャートはリーマンショック、コロナショック、2024年波乱といった暴落を乗り越え、2026年には6,000ポイントを超えて上昇する様子を示している。

米国株市場という名の底なし沼へ。S&P500の長期成長と暴落リスクを対比させた2026年版アイキャッチ。最強の優等生指数の正体に迫る。

米国株市場という名の底なし沼に足を踏み入れると、ほぼ確実に出会う言葉がある。

それがS&P500だ。

S&P500とは、米国の代表企業500社に分散投資できる株価指数のことだ。

投資界隈ではもはや宗教、あるいは義務教育に近い扱いを受けている。「とりあえずS&P500を買っておけ」という呪文を、SNSや胡散臭い広告で一度は聞いたことがあるだろう。だが、その正体をちゃんと理解している人は、驚くほど少ない。

結論から言おう。
S&P500は、最も合理的で、最も退屈で、そして最も裏切りにくい投資対象だ。

今日はその中身を、投資信託のパンフレットのような綺麗事抜きで解説していく。

ちなみに2026年4月現在、指数は約6,575ポイント前後で推移しており、もはや高すぎて手が出せないと嘆く声も聞こえるが、そんなノイズは無視していい。

投資は自己責任。そして、この優等生な指数ですら、落ちる時は容赦なく奈落へ沈むことを先に断っておく。

S&P500の長期チャート(過去推移と暴落)

S&P500 長期チャート 過去推移 暴落史 2026年4月
幾多の暴落さえも「ただの通過点」に変えてきた、S&P500の長期チャート

1957年以降のデータで見ると、年平均リターンは約10.5%(配当込み)。インフレ調整後でも約6.7%くらい。100万円を30年前に突っ込んで放置していたら、今頃は1,000万円超えてる計算になる。暴落は確かに何度もあったけど、結局全部飲み込んで新高値を更新してきた。まさに「死なない指数」の証明だ。

S&P500とは?初心者向けにわかりやすく解説

S&P500とは、アメリカの代表的な企業約500社で構成された株価指数のことだ。
もっと噛み砕いて言えば、こうなる。
アメリカ経済という巨大な船に乗るための、最も効率的なチケットだ。

中身を覗けば、誰もが知る名前が並んでいる。

企業名 概要(私見)
Apple リンゴを売って世界を支配する会社
Microsoft 全人類のPC作業を握る会社
Amazon 私の深夜の無駄遣いを支える会社
Alphabet Googleの親分
NVIDIA AIブームで神の領域に達した会社

つまり、私たちがどの企業の株を買うべきか、夜な夜なチャートを見つめて悩む必要はない。この指数を握っておくだけで、勝手に米国経済の勝ち組企業に相乗りできる仕組みになっている。

S&P500のメリット(なぜ支持されるのか)

理由は3つしかない。そして、そのどれもが楽をしたい私のような人間には甘美な響きを持っている。

1. 長期で見ると普通に、そして異常に強い

S&P500は、歴史的に見て右肩上がりを続けてきた。もちろん、一直線ではない。
・リーマンショック(-55%)
・コロナショック(-34%)
・2022年のベアマーケット(-18%前後)
これらすべての暴落を飲み込み、消化し、そのたびに最高値を更新してきた。コロナのときは底からわずか5ヶ月で新高値に戻ってる。まさに死なない指数だ。

過去100年の年平均リターンは約10.4%。これを「普通に強い」と呼ぶのが、まさにS&P500の恐ろしいところだ。

2. 残酷なまでの新陳代謝(オートマチック戦力外通告)

この指数の最大の特徴は、500社の顔ぶれが固定されていないことだ。
業績が悪化し、勢いを失った企業は容赦なくクビになり、代わりにピチピチの新興勢力がねじ込まれる。

私が布団の中でスマホをいじっている間にも、S&P500というシステムは自動でポートフォリオを掃除してくれている。

この冷徹な自浄作用こそが、長期的な強さの源泉だ。

3. 何もしないことが最適解になる

個別株投資のように、決算書を読み込んだり、売買のタイミングを計ったりする必要がない。むしろ、下手に手を出さない方が成績が良いことすらある。
私の判断能力よりも、米国経済の成長システムの方が遥かに信頼できるという、ある種の諦めと合理性が、最大の武器になる。

S&P500のデメリット(リスク)

ここまでは良いことばかり書いたが、現実はそう甘くない。ここからは本音のデメリットだ。

1. 普通に暴落する

S&P500は決して安全な預金ではない。
マイナス30%、あるいはマイナス50%超の下落は、数年に一度の頻度で普通に起きる。インデックス投資だから安心という言葉を、元本が保証されていると誤読している初心者がいたら、今すぐその幻想を捨ててほしい。

暴落した夜、自分の総資産が数百万単位で溶けていくのを眺めながら、平然と鼻をほじっていられる胆力が求められる。過去最大の下落率はリーマン時の-55%。回復まで4年近くかかったこともある。

2. 実は分散というほど分散されていない

ここが2026年現在の最も不都合な真実だ。
S&P500は500社に投資しているが、その中身はかなり偏っている。
マグニフィセント7と呼ばれる巨大テック企業が指数の約32.5〜35%を占めているため、結局のところハイテク株の機嫌次第で私たちの資産は大きく揺さぶられる。

500社に分散しているつもりが、実は一握りの天才たちの機嫌を伺っているに過ぎない。これ、昔よりさらに集中度が高まってる点に注意。

3. 日本人特有の為替リスク

これが一番厄介だ。
たとえS&P500という指数自体が上がっていても、強烈な円高が進めば、円建ての資産は一瞬で溶ける。逆に言えば、近年の好調なリターンの多くは円安のおかげだった、という側面も否定できない。私たちは常に米国株の変動と円の価値という、二つのギャンブルを同時にこなしている自覚を持つべきだ。為替ヘッジありの商品もあるけど、手数料が少し上がるトレードオフもある。

S&P500の投資方法(初心者向け)

日本で生活している私たちがS&P500に投資する方法は、大きく分けて2つ。だが、正直に言えば選ぶ道は一つしかない。

投資信託(おすすめ)

代表的な商品は以下の通りだ。

  • eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) → 信託報酬0.0814%(業界最安クラス)
  • 楽天・S&P500
  • SBI・V・S&P500インデックス・ファンド

結論から言えば、これでいい。
コストは極限まで低く、100円から積み立てられ、新NISAにも対応している。ドル転の手間もなければ、配当金の再投資も自動だ。これ以外の選択肢を探すのは、時間の無駄と言ってもいい。

ETF(VOO・IVVなど)

VOOやIVVといった米国ETFを直接買う方法だ。信託報酬マニアには、SPLGもおススメだ。(信託報酬:0.02%)
自分でドルを用意し、リアルタイムで取引を行う。

確かにコストはさらに低いが、その手間と為替手数料の差を天秤にかければ、大半の人間にとっては投資信託の方が圧倒的に合理的だ。

S&P500は今からでも遅い?

VOO VT QQQ 長期パフォーマンス比較チャート 2000年〜2026年

VOO(S&P500)・VT(全世界株)・QQQ(NASDAQ100)の長期トータルリターン比較。QQQが一番デカく伸びてるけど、ボラもエグい。VOOはその中間、VTは一番マイルド。

結論から言えば遅くない。S&P500は長期的に成長を続けており、投資タイミングよりもどれだけ長く持ち続けるかが圧倒的に重要だからだ。

例えば、過去のデータを見ても、市場の最高値圏で買ったとしても、20年持てばほぼ確実にプラスになる確率が極めて高い。むしろ今が一番安いと思い込む方が危険。積み立てを始めるのに、完璧なタイミングなんて存在しない。

S&P500と他の指数の違い

  • vs NASDAQ100(QQQ)
    S&P500はバランス型、NASDAQ100はハイテク特化型だ。過去10年くらいで見るとQQQの方がリターンはデカい(2023年とか49%とかバカみたいに上がってる年もある)。でもその分、暴落時の下落率もエグい。より大きなリターンを求めて胃を痛めたいならQQQ、枕を高くして寝たいならS&P500でいい。
  • vs 全世界株(オルカン=VTなど)
    アメリカ一国に賭けるのが怖いという慎重派はVTを選べばいい。だが、オルカンの半分以上(約65%前後)は結局アメリカ株だ。最近のデータでもS&P500の方がトータルリターンは上回ってるケースが多い。どちらが正解かは20年後の私に聞いてくれ。

S&P500のよくある質問

  • Q. S&P500は今からでも遅い?
    A. 全然遅くない。むしろこれから20〜30年積み立てるつもりなら、今が一番若いタイミングだ。タイミングを完璧に待ってる間に、複利のチャンスを逃す方がよっぽど損。
  • Q. S&P500とオルカンはどっちがいい?
    A. どっちも正解だけど、過去の実績だけ見ればS&P500の方が強い。ただアメリカ一極集中が怖いならオルカンでいい。結局、好みとリスク許容度次第。
  • Q. S&P500は暴落したらどうする?
    A. 何もしない。これが正解。売ったら負け。むしろ安くなった分を追加で買う(ドルコスト平均法)のが最強。過去のすべての暴落で、慌てて売った人は後悔してる。
  • Q. 為替リスクはどう考えてる?
    A. 無視できない。日本円で生活してる限りは常に付きまとう。長期で見れば円安・円高は相殺される傾向はあるけど、短期で円高が来たら精神的にキツいのは事実。ヘッジありの商品を少し混ぜる人もいる。

結論:迷ったらS&P500でいい。ただし過信するな

ここまで読んでくれた君に、現実的なアドバイスを送る。
S&P500は、今の資本主義社会における最適解に近い何かだ。

知識もない、時間もない、けれど資産を増やしたい。そんな傲慢な願いを叶えてくれる数少ないツールであることは間違いない。私もポートフォリオの軸に据えているが、それは米国を愛しているからではなく、考えるのが面倒だからだ。

「迷ったらこれ、でも盲信するな」
この絶妙な距離感こそが、投資という荒波で溺れないための唯一のライフジャケットになる。

私はこれからも、米国企業の強欲な成長に感謝しつつ、何一つ社会に付加価値を産まないまま、この指数の上昇を眺めて過ごすつもりだ。

 

関連記事